WorkFlowyやDynalistに代表されるアウトライナーといえば、情報をリスト化するアプリケーションです。情報を可視化し、構造化することで思考を整理したり、より深く物事を理解する助けになります。
しかし一方で、その情報を『記憶/暗記する』といった使い方はあまり考慮されていません。
今回は学生の方や資格取得に励む社会人におすすめの、記憶にフォーカスしたアウトライナー「RemNote」をご紹介します。
RemNoteってどんなアプリ?
まずはこちらをご覧ください。
見る限り普通のアウトライナーです。
一般的なアウトライナーと同じく中黒(Bullet Point)1つが1項目であり、それぞれの項目は見出しとして見た目を変化させたり、別の場所に移動することができます。
では次は何でしょうか?
これはフラッシュカード(いわゆる暗記カード)です。「Show Answer」ボタンを押すと、
答えが表示されます。
アウトライナーとフラッシュカード。この2つは一見無関係に思えますが、実はこのフラッシュカードもRemNoteで入力した1項目に過ぎません。
『アウトライナー』としての顔、そして『フラッシュカード』としての顔、この2つを併せ持つのがRemNote最大の特徴と言えるでしょう。
その他の特徴
その他にもRemNoteは他のアウトライナーには無いユニークな機能を持っています。以下はそのうちのほんの一部です。
画面分割表示に対応
アウトライナーとしては珍しい2画面分割表示。情報の参照と編集を同時に行うことができます。
統計情報が閲覧できる
Rem(項目)数の増加傾向や、どれだけキュー(フラッシュカード)をこなしたかなど、様々な統計情報が閲覧可能。
これもフラッシュカード機能を備えるRemNoteならでは。統計好きにはたまりません。
現在は完全無料
RemNoteは今のところβ版。そのためプラグインを含め、全ての機能を無料で使うことができます。
あくまで今のところはです。何が言いたいかと言えば、
新しもの好きな方はぜひ今のうちに。
インポート / エクスポート
インポートはMarkdownやテキストファイルの他、別アプリのバックアップファイルをそのまま指定することもできます。
対象アプリごとにガイドがあるので迷うことは無いでしょう。
こんな場合は不向き
ここまででRemNoteが、DynalistやWorkFlowyなどの一般的なアウトライナーとはかなり毛色の違う存在であることがお分かりいただけたかと思います。
ではここからは恒例の「こんな使い方には向いてない」コーナーです。
極度の英語アレルギー
I’m so sorry. (残念です)
安定性を重視したい
現在β版ということで無料で試せる反面、動作の安定性には欠ける部分があります。
僕もプラグインが正しく表示されなかったり、テキストがうまく入力できないといったエラーに遭遇しました。動作安定性に点数を付けるとすれば60点といったところでしょうか。
バックアップをローカルに保存することは可能ですが、「これ一本」に絞るにはまだまだ信頼度が低いと言わざるを得ません。
AnkiやQuizletから完全に乗り換えたい
古くから親しまれているフラッシュカードアプリと言えばAnkiやQuizlet。RemNoteはAnkiやQuizletからのインポートにも対応していますが、完全に移行するのはあまりおすすめできません。これら老舗のアプリの方が、モバイル環境での使い勝手や一括インポート機能に優れているからです。
僕は今のところ、こんな感じで使い分けるのがベストではないかと考えています。
- Anki / Quizlet → 公開されているフラッシュカードを丸ごとダウンロードして使う
- RemNote → 自分用のフラッシュカードを自作する
モバイル環境でガッツリ使いたい
RemNoteはiOSアプリがまだ用意されていません。ただブラウザを使ってWebからアクセスすることは可能だし、フラッシュカードの復習なら使い勝手もそこまで悪くはありません。
しかしながら、アウトライナーとして使ったりフラッシュカードを作るとなると、操作性もかなり落ちるし画面サイズも足りない。編集はやはりPCをおすすめします。
なおAndroidアプリはこちらからダウンロード可能。
RemNoteの始め方
それでは実際に触れていきましょう。細かい解説は次回以降に譲るとして、今回は登録せず「Live Demo」を動かしてみようと思います。
Live Demoは画面右上「Get Started」をクリック。
クリックするとすぐに開きます。ここではまず「サイドバーに何が配置されているか」チェックしておきましょう。
サイドバーの構成
WorkFlowyやDynalistよりは少々複雑な構成ですが、重要なのはQueueとDocumentsです。
他の3つはDocumentsという大きなフォルダの中にある仕切りのようなものだと考えておけばOK。
- Queue
- フラッシュカードのキュー。ここをクリックするとページを問わず、現在登録されているフラッシュカードが出題されます。
- Documents
- 作成したページのリスト。基本的に全てのページはここに収録されています。
- Pinned
- ピン留め(ブックマーク)されたページ。
- Draft
- 直訳すると下書き。ページを新規作成すると、まずここに収められます。
- Finished
- 完了したページ。ただしここに移動したからといって、フラッシュカードのキューから削除されるわけではありません。
フォルダを新規作成する
では新しくアイテムを追加していきます。フォルダを追加するにはDocumentsの右側「+」ボタンにカーソルを合わせ、「New Folder」を選択。
Draft内に新しいフォルダが作成されます。Notionなどと同じように、このフォルダも1つのページとして開くことができ、テキストなどを入力できるという点に注目してください。
従来のフォルダというよりも、「表紙」と考えた方がより実際の働きに近いでしょう。
フラッシュカードを作成する
ここにフラッシュカードを1つ作成してみましょう。といっても非常に簡単。問題文の後にコロン×2::
を打ち込み、その答えを記入するだけ。
コロンによって分けられた2つはそれぞれ、フラッシュカードの表と裏として認識されます。
作成できたら早速確認してみます。ページ内のフラッシュカードを確認するには、ページ右側のメニューから「Practice…」を選択してクリック。
2つ選択肢が出てきますが、今はどちらでもかまいません。
どちらかをクリックすると、
フラッシュカードが表示されました。デフォルトでは表→裏と、裏→表の両方を復習できます。