キーボードカスタマイズ用ソフトウェアといえばAutoHotKey。その自由度は他のランチャアプリなどとは比較にならないほど高く、「キーボードやマウスに関することならほぼ何でもできる」状態ですが、自由が故に取っ付きにくいのも事実。
そんなAutoHotKeyをできるだけお手軽に触れてみたい方のために記事にしてみました。
今回はAutoHotKeyの導入編として、ダウンロードからインストール、Windows起動時に自動的に常駐させる方法について。
AutoHotKeyのダウンロード
上記サイトで「Download」をクリック→「Download Current Version」をクリックすると最新版のダウンロードが開始されます(執筆時点の最新バージョンは1.1.32.00)
ChromeやFirefoxでセキュリティ警告が出る場合
2020年4月15日現在、この問題は修正されています。
現在AutoHotKeyをダウンロードしようとすると、こんな警告が出る場合があります。
先に言っておきますが、AutoHotKeyは安全なソフトウェアです。警告が出る理由はおそらく以下。
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1178824.html
4月2日、フリーのオンラインマルウェアスキャンサービス“VirusTotal”に“Military Financing.xlsm”という名前の「Microsoft Excel」マクロファイルがアップロードされた。このマクロは「AutoHotkey」本体とそれを読み込ませるためのスクリプトをバイナリ形式で含んでおり、マクロを実行するとそれらを実行する。
(窓の杜から抜粋)
つまりこのExcelマクロファイルにAutoHotKeyが含まれているため、ChromeやFirefoxではAutoHotKeyのダウンロードに対して警告を出していると思われます。
しかし悪いのはこのマクロファイルであり、これを実行しなければウイルスにかかることはありません。「詳細」をクリックして「このサイトにアクセスする」を選択するとダウンロードできます。
なおMicrosoft Edgeでは警告が出ることはありませんでした。
インストール
インストーラを起動するとこの画面に。
「Custom Installation」を選ぶとANSIや32bitを選ぶこともできますが、最近のPCであれば「Express Installation」でも可。
「Custom Installation」を選んだ場合、optionの上から2つ目はチェックを外すことが推奨されています。この状態でOK。
プログラムのインストール自体は簡単に終了しますが、問題はここからです。
スタートメニュー→「AutoHotKey」の中にある「AutoHotKey」はクリックしてもヘルプファイルが開くだけなので、スクリプトファイル自体は自分で作成する必要があります。
スクリプトファイルを作成する
スクリプトファイルといっても中身はほぼ通常のテキストファイルです。簡単なので作成してみましょう。
まず以下のコードを全てコピーします。右上の「Copy」ボタンで一発。
#NoEnv ; Recommended for performance and compatibility with future AutoHotkey releases.
SendMode Input ; Recommended for new scripts due to its superior speed and reliability.
SetWorkingDir %A_ScriptDir% ; Ensures a consistent starting directory
; #Warn ; Enable warnings to assist with detecting common errors.
; Ctrl + Alt + R でスクリプトを再読み込み.
; Ctrl + Alt + E でスクリプトを編集.
^!R::Reload
^!E::Edit
;Winシャットダウンコマンド
#Esc::Shutdown, 1
デスクトップで右クリックして「新規作成」→「テキストドキュメント」を選択し、テキストファイルを作成します。
コピーしたコードをそのままテキストに貼り付けて、メモ帳のメニューの「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択
名前は何でもいいですが拡張子は.ahk、文字コードをUTF-8にして保存してください。
他のアプリケーションとは勝手が違いますが、この.ahkファイルがAutoHotKeyのスクリプトファイルであり、普段は基本的にこのファイルしか触ることはありません。
拡張子を.ahkに変更すると、ファイルアイコンが画像のようなHマークに変わっているはず。
スクリプトの起動
次にこの.ahkファイルをダブルクリックして起動してみます。
タスクトレイに緑のHアイコンが出ればAutoHotKeyのスクリプトが常駐している証拠。
ではもう一度スクリプトファイルを開いてみましょう。タスクトレイのアイコンを右クリック→「Edit This Script」でもできますが、せっかくスクリプトを書いたので、そこに含まれているキーボードショートカットで開いてみます。
Ctrl+Alt+Eを押すと…
スクリプトファイルが開いて編集可能な状態になります。
ちなみに好きなところで右クリック→「新規作成」→「AutoHotKeyScript」を選択しても同じように.ahkファイルが作成できます。こちらはデフォルトでUTF-8になりますが、今回はカスタムショートカットもついでに記述しました。
スクリプトファイルを編集する
ではこのファイルに新たな機能を追加してみます。
以下の1行をファイルの末尾にコピペしてください。
#z::Run https://www.google.com/
Ctrl+Sで上書き保存して、Ctrl+Alt+Rでスクリプトをリロードします(これもファイルに記述されているカスタムショートカットです)。
Win+Zを押すと、ブラウザでgoogleのサイトが開くようになりました。
Autohotkeyのスクリプト編集は基本的に
- テキストエディタでスクリプト編集
- スクリプトファイルを上書き保存
- スクリプトをリロード
- 動作を確認
という流れで編集していきます。
マシン起動時に常駐を開始させる
AutoHotKeyはマシン起動時に常駐させるのが基本的な使い方かと思いますが、残念ながらAutoHotKeyには常駐させるような設定が見当たらない(無い?)ので、僕は手動でスタートアップフォルダに登録しています。
事前にスクリプトを停止し(タスクトレイアイコン右クリック→「Exit」で停止できます)、好きなフォルダに入れておきましょう。複数のマシンで同じスクリプトを使いたいのであればDropboxなどのクラウドサービスを利用するのがオススメです。
移動させたファイルをスタートアップに登録します。Windows10のスタートアップフォルダは
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
にあります(ユーザー名の部分は適時置き換えてください)。
ここを開いて、作成した.ahkファイルをAltを押しながらドラッグ&ドロップすると、そのフォルダにファイルのショートカットが作成できます。
これで次回以降、Windows起動時にAutoHotKeyのスクリプトが自動的に常駐してくれます。
ちなみにスクリプトが起動している状態でWin+Escを押すと、Windowsをシャットダウンできます。これもカスタムショートカットです。
インストールから初期のカスタマイズまではこれで終了です。 お疲れさまでした。
次回はコマンドラインランチャとしての使い方、その他もう少し深いところまでお話できればと思います。