「お父さん、パソコンのキーボードにあるInsertキーって、何するためのキーなの?」
「そりゃー、ほら、あれだ…インサートするキー?」
はい0点。
しかも「?」付いてるし!そんなんじゃ我が子の信頼失いますよ!
とは言えこのInsertキー、「何するためのものなのか、正直よく分からん」という方、めちゃくちゃ多いです。あなただけじゃありません。
今回は普通の人には馴染みの薄いInsertキーにスポットを当て、
- Insertキーの働き
- 入力モードに関するトラブル解決法
- Insertキーを無効化したり、他のキーとして使う方法
をご紹介します。
Insertキーの働き
一言で言いましょう。Insertキーとは、文字入力の「挿入モード」と「上書きモード」を切り替えるキーです。
この説明で「子供が納得した!」という方は、自分がものすごく幸運だということを自覚しながらページを閉じてください。
ほとんどの方は「だからそれは何やねん?」と思っているはず。実は文字入力にはこの2つのモードがあるんです。
挿入モード
挿入モードはいつも皆さんが使っている普通のモード。例えば既に「キーボード」と書かれているテキストの前に「おしゃれな」という文字を追加したい場合、どうしますか?
改めて説明するまでもなく、カーソルを移動して追加しますよね。これが挿入モードです。
上書きモード
これで「おしゃれなキーボード」という文字が入力されました。ではここから上書きモードに切り替えます。Insertキーを押しましょう。
この状態からテキストを追加し、「おしゃれなピンクのキーボード」という文字を打ち込もうとすると、
新しい文字によって元々の文字が上書きされてしまいました。これが上書きモードです。なおもう一度押すと、このモードは解除されます。
Insertキーとは「Insert(挿入)するキー」ではありません。実際は全く逆。挿入せずに上書きするモードに切り替えるのがInsertキーです。
入力モードに関するトラブル解決法
この入力モード切り替え機能、あまり知られていない上にCapsLockのようなインジケータも無いので、今どちらのモードなのか分かりづらく、トラブルの元になる厄介な機能です。
- なぜか分からないけど、カーソルを移動したときや文字入力時の挙動がおかしい
- 文字を書くと前の文字が消えてしまう
こんな場合は、このInsertキーを疑ってみましょう。1回押すだけで解決することも多いはず。
上書きモードを試したいけど上手くいかない方、また知らない間に上書きモードになってしまい、挿入モードに戻せなくなって困るという方は以下を試してみてください。
上書きモードにできない
アプリケーションが入力モードの切り替えに対応していない可能性が高いです。
メジャーなアプリケーションでも非対応ということは割と多く、Windowsで言えばメモ帳やWebブラウザ、メモアプリのSimplenoteなどでは上書きモードに切り替えることができませんでした。OfficeソフトのWordなどで試してみてください。
挿入モードに戻せない
Insertキーを押してもダメ、もしくはInsertキーがキーボードに無いような場合は再起動するのが手っ取り早いですが、「スクリーンキーボード」を使ってInsertキーを押してみるのも一つの手です。
スクリーンキーボードの使い方
物理的なキーボードではなく、ソフトウェアによってキー入力を発生させるのがスクリーンキーボードです。
Windowsのスタートメニューを右クリックして、「検索」をクリックします。
検索ボックスに「スクリーンキーボード」と入力すると、アプリが表示されます。
この状態でEnterを押すと、スクリーンキーボードが起動します。
画面に表示されたボタンをクリックすると、それをキーボードの入力としてOS側に認識させることができます。
Insertキーを無効化する方法
ここまでの説明で、
- 上書きモードなんて使わない
- むしろ邪魔でしかない
そう思われる方は、いっそこのキー自体を無効化するか、別キーを割り当てることをおすすめします。
このページでご紹介するのは「KeySwap」というソフトウェアですが、「Change Key」や「AutoHotkey」という別のソフトウェアを使う方法もあります。ちょっと設定方法が複雑でも、よりInsertキーを有効活用したいならこちらがおすすめ。
KeySwapのダウンロードと起動
今回はよりシンプルな「KeySwap」を使う方法ご紹介します。最初にこちらからソフトウェアをダウンロードしましょう。
トップページ画面下側のダウンロードリンクをクリック。
時代を感じるサイトですが大丈夫です。1クリックでダウンロードが始まります。.lzhファイルがダウンロードされるので、適当なフォルダに解凍しましょう。
なお解凍するためのソフトウェアは7zipやCubeICEがおすすめ。もちろんどちらも無料です。
解凍してできたフォルダを開き、「KeySwap.exe」を右クリック→「管理者として実行」を選択。
こんな画面が開きます。僕の場合は既にいくつかキー設定されていますが、気にしないでください。
無効化する
画面左側の【キー名】の部分をクリックして、登録したい場所を黄色にしましょう。
次に画面右側、キーボードのボタンから無効化したいキーを選んでクリックします。今回はInsertを選択。
この状態で画面左上、「終了」をクリックします。
ダイアログが出てくるので「はい」を選択。その後マシンを再起動すれば、キーが無効化されます。
別のキーに割り当てる
僕のマシンはInsertキーの隣にDeleteがあるので、「Deleteを押したつもりが、誤爆して入力モードが切り替わってしまう」という問題があります。
これを解決するために、このInsertキーもDeleteにしてみましょう。Insertキーを【キー名】に登録した時点から始めます。
登録すると、黄色の表示が【変換キー名】に移動します。ここにInsertキーを押したときに発動するキーを登録します。
キーリストの左端のDeleteをクリック。(右側の大きなDeleteは、登録の取り消し用なので注意してください)
後は上と同じ。「終了」を押して再起動しましょう。