「ディスプレイがもう一枚あればいいのに」って思ったことありませんか? 僕はしょっちゅうです。
マルチディスプレイ環境なら複数のアプリを大きく映し出せるので、効率アップは当然。でも現実はそう甘くない。大人なら分かりますよね。 色々と余裕がないんです!
しかしシングルディスプレイでも、マルチディスプレイに近い環境を追加投資無しで作り出す事はできます。それを実現するのが仮想デスクトップです。
今回は「知らない人は損してる」Windows10の標準機能、仮想デスクトップの使い方をご紹介します。
仮想デスクトップとは何か?
通常との比較
仮想デスクトップとはその名の通り、実際には存在しない仮想的なデスクトップです。まずは通常の画面がどのように構成されているか、簡単に見てみましょう。
下にタスクバー、上にデスクトップが1対1で構成されています。これが通常の状態。
この状態でアプリケーションを複数開くとしましょう。
この状態でアプリを切り替えるということはつまり、1つのデスクトップ上で一番上に来るアプリを切り替えるということになります。
では仮想デスクトップを使った場合はどうなるか。
タスクバーは共通ですが、デスクトップそのものが3つに増えています。このメリットは何でしょう?
仮想デスクトップのメリット
皆さんご存知の通り、デスクトップは1つのアプリを最大化した状態だけとは限りません。状況によって複数のアプリが画面上で重なり合ったり、上下左右に分割されていることもあるでしょう。
また別の状況では、最初の例と同じように隠れているウインドウがあるかもしれません。
「状況に合わせて複数の状態を切り替える」これが基本的なパソコン画面の使い方です。そしてここに、仮想デスクトップを使う大きなメリットがあります。
仮想デスクトップのメリット。それは、状況に合わせた状態を複数持つことができるということです。
イメージしにくい方もいると思うので、1つ例を挙げましょう。
画像編集ソフトの上にファイラーが起動しています。続いて、
左にブログ執筆用のエディタ、右に参考資料が書かれたメモアプリが配置されています。
これらはそれぞれ「状態」です。画像を編集したいという「状況」になれば上の状態、文章を書く「状況」になれば下の状態にしたいわけです。
考えてみてください。デスクトップが1つだとすると、面倒なことになりますよね?
下の状態から上の状態にするには、まず画像編集ソフトをアクティブにして、それからファイラーをアクティブにする必要があります。逆もまた然りです。
こんな風にちまちまとアプリ単位でアクティブにしたりサイズを変更するのではなく、ある状態を保存しておいて、さらに新しいデスクトップで別の状態を作り出せば、
- 状況が変わる → デスクトップを移動する
という動作一発で、画面を望んだ状態にすることができるというわけです。
仮想デスクトップの追加と削除
それでは実際に仮想デスクトップを作成してみましょう。なおWindows10には「タブレットモード」と「デスクトップモード」がありますが、この機能はタブレットモードでは利用できません。注意してください。
最初にタスクビューを開きます。タスクバーに表示されているアイコンをクリックするか、ショートカットキーWin+Tabです。
仮想デスクトップを新たに作成するには、タスクビュー画面左上の「新しいデスクトップ」をクリック。
これで新たなデスクトップが作成できました。不要なデスクトップはマウスオーバーで現れる×ボタンで削除可能です。
作成したデスクトップは通常と同じように使えます。デスクトップ2をクリックして、新しいデスクトップにアプリを開いてみてください。
または現在起動しているアプリを、他のデスクトップにドラッグ&ドロップで移動することもできます。
デスクトップの切り替え
では次にこのデスクトップ2と、元々のデスクトップ1とを切り替えてみましょう。デスクトップの切り替え方法は、大きく分けて次の3種類があります。
- キーボードのショートカットキーで切り替える
- マウスのボタンやジェスチャーで切り替える
- タッチパッドのスワイプで切り替える
ショートカットキーで切り替え
ノートパソコン、デスクトップパソコン共通で使えるのがキーボードのショートカットキーです。どんな環境でも利用できるので、ぜひ押さえておいてください。
左側のデスクトップへはWin+Ctrl+←、右側へはWin+Ctrl+→で移動できます。
マウスで切り替え
マウス操作でデスクトップを切り替えるには、キーボード操作を割り当てられる多ボタンマウスを使うか、そうでなければマウスジェスチャーソフトを導入することをおすすめします。
Windows10で利用でき、現在も更新されている有力なマウスジェスチャーソフトは、僕の知る限りでは「StrokesPlus.net」か「MouseGestureL」の2つ。
Chromeなどのブラウザ拡張機能ではブラウザでしかジェスチャーを使えませんが、これらのソフトウェアであればアプリを問わず利用できます。
どちらも導入は簡単。かつスクリプトを書くことで、複雑な操作にも対応できるのでおすすめ。
タッチパッドで切り替え
今回ご紹介する中で最も相性が良いと思われるのがこのタッチパッド操作です。Windowsのタッチパッド設定によって、3本指や4本指のスワイプ動作に機能を割り当てます。
ただしこの方法は、タッチパッド自体がマルチタッチに対応していないと使えません。ご自身のマシンで3本指、4本指操作ができるかどうかは確認しておいてください。
① Windowsの設定を開き、「デバイス」を選択
② 左側のメニューで「タッチパッド」を選択して画面を一番下までスクロールし、「ジェスチャの詳細な構成」をクリック。
③ 今回は4本指ジェスチャにデスクトップの切り替えを割り当てます。
画面をスクロールして「4本指ジェスチャの構成」を表示させ、その中の「左」と「右」をどちらも「デスクトップを切り替える」に変更。
これで完了。4本指の左右スワイプでデスクトップを移動できれば成功です。
その他の仕様とショートカットキー一覧
仮想デスクトップには上で紹介しきれなかった仕様やショートカットキーが存在します。既出のものと合わせて、ざっと確認しておきましょう。
仕様
- 作成した仮想デスクトップは、再起動後も保存される
- 一度作ればそのデスクトップは保存されます。数を変更しないのであれば、再起動したからといって再び作成する必要はありません
- タスクビューを開かなくても作成/削除が可能
- 下で紹介しているショートカットキーを使うことで、タスクビューを開くことなく作成や削除が可能です。お好みで使い分けてください
- あるデスクトップで起動中のアプリが、別のデスクトップのタスクバーに表示されない
- Windowsの設定で変更可能です
- 設定 > システム > マルチタスクを開く
- 「仮想デスクトップ」のタスクバー表示の欄を「すべてのデスクトップ」に変更
これでどのデスクトップで開いているアプリであろうが、タスクバーには起動中のアプリとして表示されるようになります。
ショートカットキー一覧
動作 | ショートカットキー |
---|---|
デスクトップを新規作成 | Win+Ctrl+D |
右のデスクトップに移動 | Win+Ctrl+→ |
左のデスクトップに移動 | Win+Ctrl+← |
デスクトップを削除 | Win+Ctrl+F4 |
タスクビューを開く | Win+Tab |