兄ちゃん、兄ちゃん……それ、Obsidianか。
おーワシも知っとるがな。関西人ナメたらあかんで。
しかしな、兄ちゃん。今メモったその動作……
遅いわ。
そんなもんメチャクチャ遅いがな。どのくらい遅いてそら、星野のスローカーブくらい遅いわ!
QuickAdd使てみい! もうあれや。全盛期の藤川球児みたいな剛速球なるがな!
なんで知らんねん! まあええわ……とにかくな、Obsidianでラクに素早くメモるならQuickAddプラグインや。
……なに、難しそう?
しゃあないな。ほなワシが教えたる。300万円な。
うせやん! 冗談やがな!
QuickAddで何ができるか? – 3つのモード
まずQuickAddがどんなもんかっちゅうことを先に言うとくとな……「3つのモード」を使い分けて、Obsidianの幅広い作業を効率化するプラグインや。その3ついうのが、
- Template (Obsidian標準のテンプレートやTemplaterプラグインの機能を拡張する)
- Capture (特定の場所に特定のノートを加えたり、既存のノートに追記する)
- Macro (複数のコマンドを実行したり、 JavaScriptを実行する)
や。
メニューには『Multi』っちゅうのもあるけど、これは作成したもんを放り込むフォルダみたいなもんや。だから中心的な機能は3つになる。
大事なんはな、モードがあるっちゅうことはつまり、「何がしたいんか」を先に決めとかなあかんっちゅうことや。 モードによって出来ることと出来んことがあるからな。そこがこのQuickAddの取っつきにくいところかもしれん。
ま、ワシは色んな店出禁になっとるけどな!
……なんや寒なってきたわ。次行こか。
Captureモード
まずCaptureモードや。なんでTemplateからやらんのかっちゅうとな、このCaptureモードにQuickAddの基本が詰まっとるからや。
どれくらい詰まっとるかてそら、赤丸食堂の天保山チキンカツくらいギッシリやがな!
Captureモードの機能は「ユーザーからの入力」を「指定したフォーマットに沿って」「指定したノートに書き込む」。簡単に言えばこれだけやねんけど、いくつか注意点もあるからしっかり覚えといてや。
Captureを作成する
作成するにはQuickAddの設定画面で「Capture」を選んで名前を付ける。「Add Choice」をクリックすればそれでええ。
作成できたらすぐ上にリストアップされるわ。この流れはTemplateモードも同じや。
ちなみに、こうやって作成した1つ1つをQuickAddでは「Choice」って呼んどるみたいやな。知らんけど。
次にこれを設定していくで。Choiceを設定するには、右に表示されとる歯車アイコンをクリックや。
ノートの場所と名前を指定する
Captureモードの設定項目は結構多いねんけど、最低限やらなあかんのは「追記先ノートの場所と名前」を指定することや。
ここでは仮に【Vault/Daily】フォルダにあるDaily noteに追記するって使い方を想定して解説するで。
「File Name:」の下のテキストボックスにVaultからのパスを指定して、ファイル名を入力する。今回は末尾に「.md」って拡張子を付けとるけど、これはあっても無くてもかまへん。
あとはその下の「Create file if it doesn’t exist」をONにしとくと、指定したファイルが無い場合には自動的に作成される。
変数について
ファイル名に{{DATE}}
っちゅう変な文字列が指定されとるけど、これは変数や。
例えば普通にファイル名を入力したとすると、一生同じノートに書き込まれるわな。まあファイル名が固定されるから、当たり前っちゃ当たり前や。
だからここでは変数を使うとる。上のプレビュー見たら確認できるんやけど、この文字列は今日の日付を表す変数やねん。だから日付が変わればファイル名も変わる。毎日新しいノートに書き込めるっちゅうわけやな。
変数は他にも色んな書き方があってな、これ以外にも使えるんやけど、全部書いてまうとエラいことになるから、知りたいときはココ見てくれ。
日付や時刻に関する書式 (フォーマット)はこっちや。上のページで言うと{{DATE:}}
の後に来る部分やな。
Choiceを起動する
今の時点でこのChoiceがどんな状態かっちゅうと、「Vault内のDailyフォルダにある、【今日の日付.md】ファイルに、入力した内容を追記する」ってなっとるはずや。
ほな実際に起動して試してみるで。
適当な場所でCtrl (⌘) + Pでコマンドパレットを起動するか、/打ち込んでスラッシュコマンドを開いてや。
「qu」とかで検索したらQuickAddのコマンドが出てきよる。そしたら「Run QuickAdd」を選ぶで。
さっき作ったChoiceがリストアップされるから、これを選択や。
内容を入力するテキストボックスが表示される。ここは適当に半角文字を入力してみるで。
Enterで送信されるから、Daily note開いて確認してみよか。
入力した内容がDaily noteに入ってれば正常に動作しとる。どや? できたか?
上手くいかない場合
ここまでの作業が上手くいかん場合は、いくつか原因が考えられる。ありがちな原因と対策はここに書いとくから、試してみてや。
Obsidianを再起動してみる
これは割と頻繁に起こるんやけど、QuickAddの設定がうまいこと反映されてない可能性がある。
想定したんと違う挙動をするとか、修正が反映されてないなら一回Obsidian自体を再起動してみることや。
あとはChoiceを新しく作り直してみるのもアリやな。
Daily notesの設定を確認する
もう1つはDaily notes側の設定を開いてみて確認するこっちゃ。ここの命名規則やパスが違う場合は、Daily notesとは関係無い日付ファイルが作られてまう。
半角文字を入力する
これ気ぃ付けてや。今の段階やと、全角文字を入力した場合、今開いてるノートにも入力した内容が書き込まれてまうんや。
でも幸い対策はある。この後でやるからちょっと待っとき。
その他の設定
Captureモードの設定は他にもあるけど、もうパッ!とやってシュッ!と終わるで。気になる項目は兄ちゃん、自分で試してみることや。ワシもそんな暇やない。
誰が平日の昼間にワンカップ呑みながら浅草のど真ん中で知らんもんに話しかけるねん。
……ってワシやないか! それ今のワシやないか!
きょ……今日はたまたまや! 兄ちゃん運がええわ!
項目名 | 意味 |
---|---|
Choce名 | クリックすると名称変更 |
Capture to active file | 現在開いているファイルに追記する |
File name: | 上がOFFの場合有効化 |
Create file if it doesn’t exist | 指定ファイルが無い場合は新規作成 |
Create file with given template | ファイルを新規作成する場合、テンプレートを適用する |
Task | 入力をタスク (チェックボックス) として出力 |
Write to bottom of file | 入力をファイルの末尾に追記 |
Append link | 現在開いているファイルのカーソル位置に、 作成したノートへのリンクを追加 |
Insert after | 指定行の後に入力 |
Insert at end of section | 上がONの場合有効化。指定セクションの最後に追記 |
Open | 追記時、対象ノートを開く ONにするとさらに細かな設定が有効化 |
Capture format | フォーマットを指定 |
Daily note用の設定例
でや。ここはもう完全に「ついで」やねんけど、ワシがDaily noteに追記するのに使っとる設定を紹介しとくわ。
設定項目でONにするのは上の「Create file if it doesn’t exist」と「Write to bottom of file」、あとは「Capture format」の3つだけや。特に見てほしいんは「Capture format」やねんけど、これは実際に使ってみるのが一番早いわ。
さっきやったんと同じ方法で起動した入力画面や。どや、テキストボックスがデカなっとるやろ?
これが{{MVALUE}}
や。本来は複数行入力できる + LaTeXの文法をサポートしまっせっちゅう入力用の変数やねんけど、これやと日本語がちゃんと入力できるねん。
MVALUEの場合はEnterで改行、Ctrl(Control) + Enterで実際に追記される。
Daily noteに書き込む場合、ワシはそれぞれの入力の上に現在時刻だけ付け加えてそれを見出しにしとる。これで何月何日の何時に書き込んだか、ちゃんと分かるっちゅうわけやな。
Choiceの起動を高速化する
最後に仕上げや。QuickAddの設定画面開いたら、Choice名の右側に雷みたいなマークあるやろ。
これはONにしとくのがオススメや。ONの場合、Choiceがコマンドパレットに登録されよる。っちゅうことはやな、このChoiceをホットキー一発で呼び出せるっちゅうわけや。
改めて言うまでも無いやろうけど、ホットキーの設定は【Settings > Hotkeys】やで。
好きなホットキー登録しといたら、いつでもどのノート開いててもコレ押すだけでDaily noteに追記できる。手順としてこれだけ省略できるわけや。
通常 | 高速化 |
---|---|
コマンドパレット or スラッシュコマンド起動 | ホットキー入力 |
「qu」で検索してEnter | 本文入力 |
「Run QuickAdd」を選択してEnter | Ctrl + Enterで完了 |
Choiceを選択してEnter | |
本文入力 | |
Enterで完了 |
な、最高やろ。まさに火の玉ストレートや!
……なんで知らんねん! YouTuberとしても意外と成功しとる藤川球児なんで知らんねん!
Templateモード
っとここまでがQuickAddプラグインの一番基本的な機能、Captureモードや。ほな次、Templateモード行くで。
Templateモードはな……ObsidianコアプラグインのTemplatesや、サードパーティプラグインのTemplaterの機能を拡張するのが基本的な使い方や。
Obsidian標準のTemplates機能
テンプレートっちゅうのは兄ちゃんよう知っとると思うからあんまり長々とは言わんけども、ちょっとだけおさらいしとくで。
例えば【Vault/Osaka】フォルダに「大阪弁単語帳」っちゅうインデックスページ作るとするわな?
で、各単語のページにはこのページと同じ「Osaka」タグと、インデックスページへのリンクが欲しいとする。
ただこれを毎回毎回、単語のページに書き込むのはどう考えてもアホや。そこでテンプレートファイルをあらかじめ作っておくわけやな。
こうしておくと、タグとリンクを挿入したいページでコマンドパレット呼び出して「Insert template」→ 「テンプレートファイル」を選択すると、そのファイルの内容がそのまんまページに入力される。
これがObsidian標準のテンプレート機能や。しかしな兄ちゃん……これじゃあやっぱり「遅い」んよ。
どのくらい遅いかてそら……遠藤保仁のコロコロPKくらい遅いがな!
……なんで知らんねん! 本人がめちゃくちゃモデルやっとるアパレルブランドのYatto7は知らんでもええけど、遠藤保仁は知っとかんかい!
ガンバ大阪が世界に誇る司令塔やぞ!
Template Choiceの作成と働き
まぁええわ……とにかく手順が多いっちゅうこっちゃ。そこでQuickAddプラグインや。
作り方はCaptureモードとほとんど一緒。今度はTemplateを選択して「Add Choice」するで。
設定は後で解説するとして、先にどうなるか使ってみたるわ。
さっきと同じ要領で雷マークをONにして、ホットキーに登録するやろ。そしたらな……新規ページを作成したい場所で、ページを作成する前にホットキーで呼び出しや。
さっきと同じ画面が開くから、ここに新規ページのタイトルを入力する。Ctrl(control) + Enterで確定すると、
- 入力したタイトルのページを作成して、QuickAddを起動した場所にそのページへのリンクを張る
- 指定したテンプレートを適用
- ページを開く
- 開いたページをアクティブ化
これだけの操作を自動化できる。もうあとはこのページを編集するだけや。
どや? めっちゃ便利やと思わんか?
Templateモードの設定項目
そしたら、この動作がどんな風に設定されてるんかを画像と表で見ていくで。
項目名 | 意味 |
---|---|
Template Path | 適用するテンプレートファイルへのパス |
File Name Format | 「File Name:」の欄を有効化 |
Create in folder | 「Choose folder …」とFolder path指定を有効化 |
Folder path | 入力したフォルダをノート作成時にリストアップ |
Choose folder when creating new note | 新規ファイルのパスを作成時に指定 |
Create in same folder as active file | Choice起動時のノートと同じ場所に新規作成 |
Append link | 新規ファイルへのリンクを作成する |
Increment file name | 既存ファイルと同名の場合、末尾に数字を追加 |
Open | 新規ファイルを作成と同時に開く |
New Tab | 新しいタブで開く |
Focus new pane | 新規ファイルにフォーカスを移す |
Folder pathの注意点
Templateモードの設定項目には特に難しいもんは無い。けどな、「Folder path」だけはちょっとだけ注意してんか。
この部分に「新規ファイルを作成するパス」を指定するんやけど、上の画像みたいに入力しただけではまだ確定しとらん。
確定するには「Add」ボタンをクリックする必要がある。なんでかって言うとな、ここには複数のフォルダを登録できるからや。
こうやって複数のフォルダを指定しとくと、ファイル作成時にどこにそのファイルを置くか選択できる。色んなフォルダ使っとるような場合は、こんな風にいくつか登録しといたらええ。
ただ1つしか指定せん場合でも、「Add」ボタンをクリックする必要があることだけは注意や。
Macroモード
最後にMacroモードや。これはスゴいぞ。ただな……これ深く解説してると時間がいくらあっても足りへん。やからな、ここではほんのサワリだけ紹介したるわ。
Macroっちゅうのはな、一言で言うと「あれやこれやを自動的に実行する」ちゅうこっちゃ。な、分からんやろ? ワシもや。
Macroを作成する
Macroの作成は、今までとはちょっと違う手順になる。最初にQuickAddの設定画面開いて、「Manage Macros」ボタンをクリックしぃ。
そしたらMacro Managerが開くから、そこで適当な名前決めて「Add Macro」や。
作成したMacroが上にリストアップされるから、「Configure」をクリックして設定画面に入るで。
Macro Managerの設定
設定画面はこないなっとる。
今まで解説してきたCaptureやTemplateのChoice、Obsidianのコマンド、JavaScriptファイルなんかをここで「Add」していけば、1つのMacroが完成するっちゅうわけや。
ちなみに、この一連の流れのことを「シーケンス」とも言う。豆知識やで。
JSファイルの使用例 – Obsidian Map View plugin helper
Macroに限らず、実際の使用例はQuickAddのGitHubにいくつか掲載されとる。
ただ全部英語やから、ここではその中の1つ、Macroの「Obsidian Map View plugin helper」を紹介したるわ。
使い方は簡単やけど、前提としてMap ViewとMetaEdit、2つのプラグインをインストールしといてや。せやないとちゃんと動かんで。
.jsファイルをダウンロード
ページを開いたら「this page」の部分をクリックしてコードのページを開く。
コードのページ右上に「Raw」っちゅうボタンがあるからクリックや。
ただのテキストが書かれてるページが開くわ。そしたらテキスト部分を全選択して保存する。
保存したファイルをVaultフォルダの中に移動してや。Vaultの中ならどこでもええわ。
Macroを作成して.jsファイルを組み込む
ほなさっきやった通り、QuickAddの設定画面開いて「Manage Macros」でMacroを作ってんか。ワシはさっき作った「test」を使うで。
Macroを作ったら「Configure」で設定画面に入る。「User Script」のテキストボックスをクリックしたら、Vaultの中に入れたファイルがリストアップされよる。これを選択して「Add」や。
これで「JavaScriptを実行する」っちゅうMacroができたわけやな。この画面はもう閉じてええで。
MacroをChoiceとして登録する
画面を閉じてQuickAddの設定画面に戻る。ここではじめてChoiceを作成するんや。
Choice、覚えとるか?
そうそう、ユニバとかディズニーで売っとる細長いお菓子な。……ってそらチュロスや!
しかしなんでやねん……なんでチュロス食うときは全然好きでもないシナモン味選んでまうねん? 何の魔力やアレ。魔法か? ディズニーだけに!
……話戻すで。QuickAddの設定画面を開いたところからや。適当に名前を入力したら「Macro」を選んで「Add Choice」や。
Choiceができたらそのまま右の歯車アイコンをクリックして、Choiceの設定画面に入る。
というても、ここはほぼ何も設定するようなもんはない。ただどのMacroを使うのか選択するだけや。
さっき作ったMacroがリストに入っとるから、それを選択する。
これで準備OKや。ホットキーで起動したけりゃ、例によって雷アイコンもONにしといたらええ。もうみなまで言わんで。
Macroを実行する
そしたらどっかに新しいノートを作ってテストしてみよか。
真っサラのページ上でMacroを呼び出すと、こんな画面が開くはずや。
ここに自分が調べたい場所の名前を書く。日本語でもかまへん。まあ上手くいかん場合はアルファベットも試してみ。
確定すると、ページのYAMLに「location:」っちゅうプロパティが書き込まれる。まぁ指定場所の座標みたいなもんやな。
JavaScriptの働きとしてはこれだけや。
さぁ、マップを開くで。ページ左下のメニューから「Show on map」や。
見てみ。Obsidianで地図が開いたやろ。
ええ景色や。のう? ワシのグランフロント大阪が輝いて見えるわ!
もっと色々カスタマイズはできるけど……せや。兄ちゃん分かってきたな。こっからは自分で試してみるんや。
まとめや!
ちゅうわけで、最後にまとめや。
- QuickAddはモード選択から始まる! 何がしたいか決めてから使うんやで!
- 変数を使えば、よりフレキシブルな運用が可能や! 最初は日付時刻や{{MVALUE}}をオススメするで!
- 基本的にQuickAdd単体で使えるのはCaptureだけや! 他のモードは別の何かとの相互作用で力を発揮する。前提になる機能の設定も確認しいや!
- よりクイックに起動するなら雷アイコン! 忘れたらあかんで!
- Macroは素人さんにはおすすめできん! しかし自由度を求めるなら挑戦してみてや!
QuickAddは名前の通り「クイック」にノートを「Add」できるプラグインやけど、それだけやないのがよう分かったやろ?
最後に一つ大事なこと言うとくとな……甲子園があるのは大阪やなくて兵庫県や!
ここ間違えたら兵庫県民にキレられるから、気い付けてや! ほな!