iPhoneで高解像度の映像を撮影するのは、もはや当たり前となりました。しかし問題はそのファイル形式です。
iPhoneで撮影した動画の拡張子は.MOVファイル。Macで扱うには不便はありませんが、特定のSNSに対応していなかったり、古いWindowsマシンでは正常に再生できない場合もあります。
今回はそんなときに便利な動画変換ソフト、EaseUS Video Converterをイーザスソフトウェア様よりご提供いただいたので、早速レビューしていきたいと思います。
(対応OS: Windows11/10/8/7)
EaseUS Video Converterの機能と特徴
主な機能
- 動画を様々な拡張子に変換 (コーデックも選択可能)
- 複数の動画を結合
- 動画から音声を抽出し、オーディオファイルとして出力
- オーディオファイルを別の形式に変換
特徴
- シンプルなインターフェイス
- 扱うデバイスに合わせた最適な設定を自動的に選択
- 軽快な動作、高速な変換
- バッチ処理 (複数のファイルをまとめて一括変換)
つまり何ができるの?
- あの機器で再生できなかった動画が観れる!
- 映像が必要無い動画は音声ファイルに変換しておけば、歩きながらでも聴ける!
- 簡単操作でパソコンや動画に詳しくなくてもOK!
ダウンロードと製品版の料金体系
ダウンロード 〜 アップグレード
無料でお試しできる体験版のダウンロードはこちらのページから。

「無料体験」をクリックしてダウンロードしましょう。インストールは道なりに進めばOKです。
製品版のライセンスをお持ちの場合はソフトを起動し、画面右上の【アップグレード】をクリック。
新たに開いた画面でライセンスキーを入力すれば、製品版のフル機能を利用できます。
無料体験版は変換できる動画の長さやGPUアクセラレーション、動画の結合機能などがロックされているので、あくまで体験版と考えてください。
4種類の料金体系
機能制限の無い製品版にはサブスクリプション2種類/買い切り2種類と、計4つの料金体系が用意されています。
この中で複数のパソコンにインストールできるのは企業版のみとなっているので注意。(パソコンの買い換え時など、ライセンスを別のマシンに移行することは可能です)
ご自身の使い方や頻度に合わせて最適なものを選択してください。
基本の動画変換機能
ここからはEaseUS Video Converterを実際に使いながら、操作感や使い方をお伝えしていきます。早速動画ファイルを変換してみましょう。
動画を変換するには変換したいファイルをウインドウにドロップするか、「ファイルを選択」をクリックしてダイアログから選択。
ファイルを追加すると「変換前 → 変換後」のデータが表示されます。
ここで使用するのはiPhone11で撮影した約2分の4k/30fpsの動画。拡張子が「MOV」から一般的な動画の拡張子である「MP4」に変更されているのが確認できます。
現在の設定を確認/変更するには、右側の歯車アイコンをクリック。
出力する動画の拡張子や解像度をここで選択できます。
しかし不思議なことに、サイドバーを見ると「MP4」や「MKV」には『HEVC』とそうでないものが2種類存在しています。これは一体なぜでしょう?
コンテナとコーデック
少し寄り道になりますが、ここでコンテナとコーデックについて少しだけ解説を加えておきます。
動画の拡張子である「.mp4」や「.avi」「.mkv」などは『コンテナ』と呼ばれ、「H.264」や「Divx」などのコーデック(圧縮方式) とは別物。
動画の映像と音声はそれぞれ別々にコーデックによって圧縮され、圧縮された映像と音声が1つの箱 (コンテナ) にまとめられている。この箱こそが動画ファイルであり、拡張子です。
つまり同じ.mp4ファイルであっても、コーデックは異なるということが普通に起こり得ます。それが「MP4」と「HEVC MP4」が分かれている理由です。
HEVCとは何か?
HEVCは「High Efficiency Video Coding」の略。「H.265」とも呼ばれるコーデックで、現在広く普及しているAVC (H.264) の約2倍という高い圧縮率を誇りますが、このコーデックに対応していない機種もあります。
なので圧縮率重視の場合は「HEVC」、どの機種でも再生できるよう互換性重視の場合は表記無しと使い分けてください。
変換を開始する前に
今回は「MP4」を選択し、単純にMP4ファイルに変換していきますが、変換開始ボタンをクリックする前にチェックしておきたい項目があります。
画面下側、「高速変換」と「GPUアクセラレーション」ボタンです。
製品版をお持ちの方はこのボタンを2つともONにしておきましょう。OFFの状態だと、設定によってはかなりの時間がかかってしまいます。
あとは「変換」をクリックするだけ。デフォルトの状態では変換元ファイルと同じディレクトリに、変換後のファイルが新規作成されます。
動画変換 その他の機能
このソフトウェア、基本的な変換機能の他にもユーザーに優しい機能が盛り込まれています。特にファイル変換に慣れていない方は要チェックです。
細かな設定は不要! 「デバイス」タブと「ネットビデオ」タブ
コーデックやコンテナを設定するのが面倒、あるいは再生したい機種や環境が決まっているという方に便利なのが「デバイス」と「ネットビデオ」タブ。
変換したい動画を追加し、歯車アイコンをクリックして設定画面に入ります。設定画面上部に「デバイス」タブがあるのでクリックすると、
デバイスを選択する画面が開きます。ここでは対象機種をメーカーから絞り込むことによって、その機種に最適化された設定を自動的に適用することが可能。コンテナも解像度も選択する必要はありません。
「ネットビデオ」は動画をSNSなどに投稿する際に利用します。使い方は「デバイス」と同様。
バッチ処理 (一括変換)
動画変換ソフトには必須とも言える機能の1つが「バッチ処理」です。バッチ処理とはごく簡単に言うと「1回の操作でまとめて処理する」こと。
変換したいファイルが複数あるのなら、その全てをVideo Converterの画面に登録してみましょう。
大量のファイルも寝ている間に処理できます。
結合 (マージ)
複数のファイルを登録した場合、バッチ処理の他にファイルの結合機能も利用可能です。
動画をつなげて1つのファイルにするには、画面下側の結合ボタンを有効にして「ファイルをマージ」をクリックしてください。
オーディオ変換とオーディオ抽出
ここまでは動画変換ソフトとしての使い方や機能をご紹介してきました。しかし先ほども触れたように、動画ファイルとは映像と音声を別々に処理し、それをまとめて1つの箱に入れたもの。
動画を変換できるということは、音声もまた別の形式に変換したり、動画から音声だけを抽出することもできる。ということでここからはオーディオ変換ソフトとしての機能を見ていきましょう。
オーディオファイルを変換する
といっても、操作的には動画でも音声でも大差はありません。オーディオファイルの変換はメイン画面のサイドバーで「オーディオ変換」タブを選択し、音声ファイルをドロップして設定ボタンから細かな設定を行います。
何かと使いにくい場面も多いMac標準の「.m4a」を汎用性の高い「.mp3」に変換するなど、活躍の場も多いはず。
MP3やM4Aの他、WMAやFLAC、OGGなど、一般的な形式は一通り網羅されているので安心。
動画から音声を抽出する
動画から音声のみを抽出し、オーディオファイルとして保存するにはサイドバーで「オーディオ抽出」を選択し、動画ファイルを登録。
以降の操作は動画変換やオーディオ変換と同様です。
EaseUS Video Converterの長所と短所
というわけでここからは、実際に使用してみて僕が感じたEaseUS Video Converterの良いところとイマイチなところをお伝えしましょう。
ここが良い!
シンプルなインターフェイスと操作性
コーデックやビットレートなど細かな設定も可能ですが、そういった知識が無い方でも簡単操作で変換できてしまう操作性、迷うことのほとんど無いシンプルなインターフェイスは高評価。
高速な動作と変換
ソフトウェア自体の動作ももっさり感は無く、快適に動作します。
また変換速度も「高速」と謳うだけあってかなり速く、ファイル形式の変換だけなら数秒しかかかりません。
4K動画の拡張子変換が2秒で完了したのは驚き。
ここはイマイチ
月額料金が高い
提供してもらって何ですが、はっきり言って月額料金が高い。年間4000円なら月額4〜500円でも良いんじゃないでしょうか?
1300円はお試しするにしてもちょっと尻込みしてしまう金額です。
ノートパソコンには不向きか
GPUアクセラレーションはあくまでCPUとは別にグラフィックボードを搭載しているパソコンで有効のようです。そのため多くのノートパソコンでは高速化の恩恵をイマイチ受けられない模様。
高速な変換をお望みなら、グラボを積んだデスクトップパソコンで使いましょう。
最後に
今回は動画変換ソフト、EaseUS Video Converterをレビューさせていただきました。
特定のデバイスで閲覧できない動画が眠っている、サイズの大きな動画ファイルを軽くしておきたいなど、ありがちな要望にシンプル操作で応えてくれる軽快なソフトウェア、ぜひ一度お試しください。
