Dropbox Paperの魅力と始め方

Dropbox = 個人用クラウドストレージ。当たり前の事実ですが、それだけではありません。
かつてGoogleが『検索』からWebブラウザの覇権を握ったように、Dropboxは『個人用クラウドストレージ』を基盤として、その勢力をチームまたはアプリケーションハブへと拡大しています。

今回はDropboxの進化が垣間見える「Dropbox Paper」の魅力と始め方について。

Dropbox Paperの魅力

まずはPaperの特徴的な機能をいくつかご紹介しておきましょう。キーワードは『チーム』と『シンプルな操作』です。

共有機能

これはPaperに限ったことではありませんが、Dropboxのファイルやフォルダはネット上に公開すること無く、他のユーザーを招待して共有できます (公開する方法もあります)。

ファイルを更新すれば共有相手のファイルも更新される。その事実は知っているだけで十分であり、いちいち意識する必要などありません。
ユーザーは共有する「人」と「モノ」を最初に設定しておけば、後は自分のマシン内にあるローカルファイルに集中すればいい。面倒なことは全部Dropboxがやってくれます。

コメント

上の共有機能をPaperに落とし込んだ最も分かりやすい形、それがコメント機能です。
テキストを選択してメニューからコメントを書き込むと、そのコメントが画面右側に表示されます。

さらに特徴的なのは画像の特定部分に対してコメントできるという機能。

簡単な説明なら画像を編集する必要すら無い。素晴らしい。

各種埋め込みが簡単

YouTubeやTwitter、Instagramなどをページ内に埋め込めるのはもちろんですが、Dropbox Paperではそれをより簡単に、Paper内で完結できるような工夫がされています。

何か埋め込みたいときは、とりあえず画面下側「メディアを追加」を選択しましょう。

ここでは到底紹介しきれませんが、YouTubeやGoogle Driveのファイルに始まり、Pinterest、Spotify、Instagram、Trelloなど各種の埋め込みに対応しています。

変更履歴が保存される

以前からDropboxの機能として提供されていた変更履歴の保存機能。しかしなかなか使う機会が無かった方も多いのではないでしょうか。
Paperはその機能をより身近なものにするきっかけになるかもしれません。

メニューから「ドキュメントの履歴」を選択すると、

誰がいつ、どんな変更を行ったかが一覧表示されます。ある地点に戻したければ「ロールバックする」を2回クリックするだけ。

チーム内の誰でも同じファイルを編集でき、しかもその編集履歴を逐一チェックできる。Dropbox Paperはまさに『チームのためのノートアプリ』と言えます。

Dropbox Paperの始め方

それではDropbox Paperを使うための準備をしましょう。といっても、必要なのはDropboxのアカウントのみ
あなたが今現在Dropboxを使っているなら何もする必要はありません。ただiOSやAndroidで使う場合は、単体でリリースされているPaperアプリが断然おすすめ。

モバイルデバイスから利用する

アプリから扱えるのはPaperファイルに絞られるため、Dropboxフォルダの雑多なファイルに惑わされること無くPaperファイルにアクセスできます。

Dropbox Paper

Dropbox Paper

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ただ「共有されたファイルがPaperアプリ単体では表示されない」という問題があるので、その場合はDropboxアプリからファイルにアクセスしましょう。
Paperアプリがインストールされている状態で.paperファイルを開けば、自動的にPaperアプリが起動します。

Dropbox - バックアップ、同期、共有

Dropbox – バックアップ、同期、共有

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パソコンから利用する

なおWindowsやMacからPaperを使うには複数のアプローチがあります。

  • タスクバーのアイコンを右クリックして「Dropbox Paperを開く」
  • ファイラーでDropboxフォルダを表示し、.paperの拡張子が付いたファイルをダブルクリック
  • Webブラウザで直接Dropbox Paperにアクセスしてファイルを開く

どれも最終的にはWebブラウザを介してのアクセスです。

パソコンにはPaper単体のアプリが無いので、その点は少々残念。ただその分モバイルアプリの出来はかなり良いと感じました。
あくまで僕個人の意見ですが、Paperを常用するならiPadを使います。

Dropboxの共有機能を使ってみる

Dropbox Paperを使う上でぜひ押さえておきたいのが、チームで共同編集する際に前提となるファイル共有機能です。軽くおさらいしておきましょう。

フォルダやファイルを他の人と共有する2種類の方法

Dropboxフォルダ内のアイテムを他の人と共有する方法は、大きく分けて2つあります。

  • アイテムをインターネット上に公開し、URLを利用する
  • 対象メンバーのDropboxアカウントを招待する

URLを公開する方法はDropboxアカウントが不要ですが、逆に『不特定多数の人間がアクセス可能な状態である』という危険もあります。チームでドキュメントを共同編集するならアカウントの招待が一般的。

アカウントを招待する

それではやってみましょう。今回はフォルダ単位で共有します。

① Dropboxフォルダを開き、共有したいフォルダを右クリック → Dropboxアイコンが付いた「共有」を選択。

② 開いた画面で権限と共有先ユーザーを設定します。編集可能にするか閲覧のみ可能にするかを選択し、共有先アカウントのメールアドレスを入力しましょう。

その人がDropboxアカウントを持っていれば、アドレス入力欄の下にアカウント情報が表示されます。ここをクリックするかEnterを押すことで、複数人に共有することも可能です。

「共有」ボタンをクリックすれば共有先のアドレスにメールが送信され、フォルダのアイコンが変更されます。

後は何も考える必要はありません。このフォルダに入れたアイテムは自動的に相手と同期されます。

Paperとはどんなアプリか

今回はDropbox Paperの魅力と始め方ということで、その機能と使い方を軽くご紹介しました。この記事の締めとして一旦まとめておきましょう。Paperとはどんなアプリなのか?

僕の答えを一言で表すなら、それは『Dropbox』です。

は? と思われるかもしれません。しかしここが重要なポイントなんです。
冒頭でお話したようにDropboxは個人用クラウドストレージから始まり、今やユーザー数5億を突破した当たり前のツールです。

なぜDropboxはこんな当たり前のツールとなり得たのか。そのヒントは2010年の開発者インタビューから見て取れます。

Dropboxを開発したのは、僕自身が一番欲しかったから
3年前、2人の若者が起業したオンライン・ストレージサービスが、今や400万人のユーザーを抱える一大ビジネスに成長した。急成長の秘密は、ウェブ上での面倒なログイン操作なしでデータを同期できる抜群の使い勝手にある。そのアイデアが湧いたのは、愛用のUSBメモリーを壊したことがきっかけだったという。

「面倒な操作は一切省いて、シンプルな操作に徹する」

「サーバーと接続していることを意識しなくても済むように、シンプルな操作に徹したい」

シンプルな操作。それがDropboxの根幹にある考え方です。
欲しい機能はそこにある。共有はシームレスに、自動的に行われる。この思想はPaperのUIにしっかりと受け継がれ、機能の割に直感的で、非常にシンプルなアプリに仕上がっています。

Dropboxは使っているけどPaperは開いたことがない? それはもったいない。あなたが求めている機能はもう既に、そこに存在しているかもしれません。

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