前回のことがあってX1 Carbonの修理を諦めた約2週間後、我が家に新しいPCが届きました。それがこちら。
DELL。
XPS13 2-in-1。型番は9310。CPUにCore i7 第11世代を搭載した、2020年秋モデルです。今回はこのマシンについて詳しく見ていきたいと思います。
先に言っておくと、今回はあくまでハードウェアとしてのレビューであり、ベンチマークなどパフォーマンスに関しての記述はありません。ご了承ください。
スペック紹介
僕が購入したマシンのスペックはこんな感じ。
CPU | Intel Core i7 1165G7 |
メモリ | 16GB 4267MHz LPDDR4x |
ハードドライブ | 512GB M.2 SSD |
OS | Windows10 Home |
ディスプレイ | 13.4inch FHD+ (1920×1200) |
ポート | Thunderbolt 4 × 2 / Micro SDカードスロット |
ネットワーク | Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.1 |
Windows Hello | 顔認証 / 指紋認証 |
寸法 | 高さ14.35mm × 幅296mm × 奥行き207mm |
重量 | 約1.3kg |
CPUがCore 第11世代になり、メモリの帯域幅やWi-Fi、Thunderboltなどがアップデートされています。重量は13インチクラスの中では平均~やや重めといったところ。
この構成で価格は約19万円。コストパフォーマンスが良いとはお世辞にも言えないレベル。今回の13インチモデルは後からメモリを増設したりストレージを交換することが基本的にできないので、余計に辛いですね。
付属品
こちらが付属品。書類は割愛します。
右から
- ACアダプタ
- 電源ケーブル
- USB-A → USB-C変換アダプタ
重量は軽めで外出時も重くはありませんが、ケーブルが結構かさばります。持ち歩くなら45W以上のコンパクトな充電器がおすすめ。
外観
カラーとキーボード配列
それではマシンの外観を見ていきましょう。本体をパカッと開くとこんな感じ。
XPSのボディカラーにはシルバーとホワイト(フロスト)がありますが、今回購入したのはホワイト。なのでキーボードもホワイトカラーを選択しました。ちなみにこのカラーは英語配列しか存在しません。
日本語配列の場合キーボードは黒になるので、本体カラーはシルバーの方が合うと思います。
側面
続いて側面。
向かって左側にはUSB-C端子とMicro SDカードスロット。
右側にはUSB-Cとヘッドフォンジャック。USB-C端子は2つともThunderbolt4に対応しています。給電はどちらからでもOK。
背面には2-in-1 PC特有のヒンジがあるだけ。
マシン裏側
最後に裏側。
両側にあるのはスピーカー、ヒンジ近くにあるのは吸気口です。ここには映っていませんが、ちょうどヒンジの位置に排気口があります。
筐体を開けるのはそう難しくなさそう。
全体的な質感
DELLのフラッグシップだけあって全体的な質感はかなり良いと言えます。天板はサラッとした触り心地。グラスファイバー素材のパームレスト部分は細かい凹凸があり、どちらも指紋が全く目立たないので扱いが楽。
アルマイト加工が施されたサイドのシルバーとボディの白も、調和が取れていて高級感があります。
また意外と剛性が高く、スタイリッシュな中にガッチリとした強さを感じるのも魅力。中身が詰まっているというか、比重が高い印象です。逆に言えばサイズの割にズッシリとした重さを感じるので、軽さにこだわる方は避けたほうが無難かもしれません。
ディスプレイ
次にディスプレイを見てみましょう。
XPSといえば狭額縁で有名。確かに驚くほどベゼルが狭いです。上辺約6mm、左右約4mm、下辺約8mm。狭すぎてロゴも何も入っていません。素晴らしい。
またこの狭額縁のおかげで、画面の割に筐体サイズが小さく抑えられています。
ディスプレイの縦横の比率が16:10なのもポイント。一般的な16:9のディスプレイに比べて縦が長くなっているため、解像度はフルHDモデルで1920×1200、4Kモデルで3840×2400となります。
今回購入したのはフルHDモデル。4Kの高精細ディスプレイは魅力ですが、バッテリー駆動時間がフルHDモデルの6割程度になってしまうので、バッテリーをよく使う方はフルHDの方が無難でしょう。
明るさはiPad Air 2020年モデルと同じ500ニト。屋内で使用する場合、明るさ調整は半分程度で丁度良いと思います。
ディスプレイ上部にはWebカメラと顔認証用の赤外線センサーを装備。僕自身は顔認証対応のPCを初めて使いましたが、これはかなり便利。ディスプレイがOFFの状態からでも、任意のキーを押すだけでログインできます。精度も高く、なかなか認識されないなんてこともありません。
キーボード
続いてキーボードの打鍵感や音について。
僕は以前LenovoのThinkPad X1 Carbonを使用していましたが、はっきり言ってXPSの打鍵感はそれには遠く及びません。
何しろキーストローク(キーを押し込める深さ)が浅すぎる。キーボードを叩いているというよりマウスをクリックしているような感覚に近い。
キーボードの打鍵感にこだわりがある方にはおすすめできません。ただ音に関しては静かです。カフェや図書館でも十分に使えるレベル。
キーボード右上端の刻印が無いキーは電源ボタン + 指紋認証センサー。顔認証と併用できるので便利ですが、個人的にはDeleteが端にある方が良かったんじゃないかと思います。
あと顔認証と違い、指紋認証はかなり反応が悪いです。一発で認識されれば喜んでいいレベル。ここはぜひとも改善してほしいポイントです。
どうでもいいですがこのキーボード、数字の4の位置にインドの通貨であるルピー、5の位置にユーロの刻印が入っています。どうせなら¥も入れてくれ。
タッチパッド
次にタッチパッド(トラックパッド)。ノートPCではこちらも重要な要素です。
タッチパッドに関してはほぼ不満を感じません。サラサラとした滑りの良い感触。MacBookに近いものを感じます。もちろん3本指、4本指ジェスチャーにも対応。
タッチパッドの下側左右を押し込むことでもクリックできますが、キーボードと対照的にストロークが深く感じました。ここは好みですが、もう少し浅くても良いくらい。
画面回転
2-in-1 PC (コンバーチブル型) といえば画面が360度回転することでお馴染み。ということで様々な設置方法を試してみます。
通常のクラムシェルモード。
キーボードを後ろ側に回したスタンドモード。
スタンドモードのまま向きを変えるとテントモード。
キーボードを完全に折りたたむとタブレットモード。縦向きでも使えます。
タブレットはおまけ程度
2-in-1 PCは確かにタブレット形状にもなりますが、キーボードが取り外せないコンバーチブル型の場合、タブレットとして使うには正直無理があります。
iPadを2枚重ねて片手で持つことを想像してみてください。どう考えても重いです。Windowsをタブレット形状で使うことを考えるなら、キーボードカバー型のSurface Proや、富士通LIFEBOOK UHシリーズなどの超軽量2-in-1をおすすめします。
1kgを超えるコンバーチブル型はタブレットというよりむしろ「設置の自由度が広がる」ことが一番のメリットではないでしょうか。
例えば、僕は自宅でこんな風にXPSを使用しています。
モニターアームを使うことでディスプレイを目線の高さに合わせられ、なおかつキーボードを隠せるので、通常のクラムシェル型に比べて無駄なものが視界に入りません。
モニターアーム以外にも、Boyataのようなパソコンスタンドを使う手もあります。目線をより自然な位置に上げることで姿勢改善や肩こり解消に効果があるのでおすすめ。
BoYata ノートパソコンスタンド PCスタンド タブレットスタンド Macbook Air/Macbook Pro/iPad Pro/Notebooksなど17インチまでに対応
また平面なテーブル上に置けないなど、通常パソコンを開くことができないような状況でも活躍できるのが2-in-1 PCの利点です。
DELL XPS13 2-in-1はこんなマシン
今回はハードウェアとしてのDell XPS13 2-in-1をレビューしてみました。僕の感想をまとめるとこんな感じ。
- コスパはあまり良くない
- デザインは上手くまとまっていて、質感は最高レベル
- 画面の占有率が異様に高い
- 顔認証が超便利。でも指紋認証はあまり使えない
- キーボードの打鍵感は期待しない方がいい
- 若干重い
とにかく質感と美しさに全振りしたようなマシン。これがおすすめできるかどうかは、あなたのPCとの付き合い方、こだわりポイントによります。
- コスパが良くてもボテッとしたダサいノートPCは絶対使いたくない
- ある程度お金をかけても、所有欲を満たせる相棒が欲しい
など、PCに上質な美しさを求める方はぜひ検討してみてください。