昨今のYouTube需要により、『動画編集』はクリエイターに必須のスキルとなりました。
しかし動画を扱うのは配信者やクリエイターだけではありません。
- パソコン上の動画やスマホで録画したファイルを圧縮して軽くしたい
- YouTubeから動画をダウンロードして、通勤時間にスマホで楽しみたい
- パソコンの画面を録画して、その様子を他のメンバーと共有したい
こういった使い方なら、高機能で本格的な動画編集ソフトは不要です。むしろ求められるのはワンタッチで簡単に操作できるソフトウェア。
今回はそんな日常使いにこそハマる「HD Video Converter Factory Pro」の使い方や使用感をご紹介しましょう。
※ この記事はWonderFox社の提供でお送りします。
どんなソフトウェア?
Windows10 / 8 / 7 対応のマルチメディアユーティリティソフト。
名前の通り『動画ファイルの変換』がメイン機能かと思いきや、その他にも数多くの機能があります。
できること
- 動画ファイルや音声ファイルを変換 (ワンタッチ変換からコーデック指定まで対応)
- 簡単な動画編集
- YouTubeやニコニコなど300以上のサイトから動画や字幕をダウンロード
- パソコンの画面を録画
- 画面を分割した動画を作成
- 画像のスライドショー動画を作成
- 動画や画像からGIFアニメを作成
今回の記事では特に『変換』『ダウンロード』『録画』機能を取り上げていきます。
できない or 向いてないこと
操作がシンプルで扱いやすい反面、クリエイティブで複雑な作業には不向き。ガッツリ動画編集したい方は他のソフトウェアを選ぶのが無難です。
- トランジションなどを駆使した高度な動画編集
- 音声後付けの動画作成
使い方1 – ファイル変換と簡単な動画編集
それでは早速どんな機能があるのか、実際に使いながら見ていきましょう。
こちらから無料の試用版がダウンロードできるので、興味のある方は一緒に操作してみてください。アカウント登録などは不要です。
下が起動直後の画面。
ファイルの保存場所など、全体的な設定変更は画面右上の歯車アイコンから。
ここではiPhoneで撮影した4K動画を変換し、ファイルサイズを圧縮してみたいと思います。
『変換』をクリックするとこの画面に。
変換したいファイルをドラッグ & ドロップで追加しましょう。
左側に元の動画、右側に出力される動画の情報が表示されます。
これだけで出力ファイルのサイズが小さくなることもありますが、出力フォーマットの設定によっては動画のファイルサイズが変わらないことも多くあります。ファイルサイズを小さくしたいなら、
- 動画のコーデック (圧縮方式) を指定する
- 動画の解像度やフレームレートを変更する
といった手段のいずれか、または複数の方法をとることでファイルサイズを圧縮できます。
コーデックを指定してファイルサイズを軽くする
最初にコーデックを指定してみましょう。画面右側『出力フォーマットを選択』をクリック。
変換可能な形式がズラッと並んだ画面の右下、H264やH265、VP9が現在よく利用されているメジャーなコーデックです。
ここではH264の後継であり、約2倍の圧縮率が特徴のH265を選択してみましょう。
ファイルサイズは261MBから105MBに。
コーデックを変更するだけで、動画のクオリティを落とすことなくファイルサイズを小さくすることに成功しました。
解像度やフレームレートを変更してファイルサイズを軽くする
次に動画の解像度 (縦横のサイズ) とフレームレート (1秒間に何回描画するか) を変更してみましょう。
『出力フォーマットを選択』の下側『パラメータ設定』をクリック。
『動画パラメータの設定』画面が開きます。
ここでは最も一般的な解像度であるフルHD (1920*1080)、フレームレートは30fpsに設定。
この状態で『OK』を押すと、
ファイルサイズはさらに圧縮され、元ファイルの約10分の1にまで小さくなりました。
この状態で画面右側『変換』をクリックすればエンコードが開始されます。
パソコン上の動画をスマホで再生可能な形式に変換する
最初の作業ではスマホで撮影した動画を変換し、ファイルサイズを圧縮しましたが、他にも動画ファイルを変換したいシチュエーションはありますよね?
例えばパソコンの動画ファイルがスマホで再生できない場合です。
そんなときは先ほどと同様、対象の動画ファイルを画面上にドロップし、『出力フォーマットを選択』をクリックしましょう。
画面上部の右側には様々なメーカーのロゴが並んでいます。ここでメーカーを選択、次に動画を再生したい機種を選択してください。
この状態で『変換』すれば、動画ファイルはあなたがお持ちの機種で再生できる形式に自動で変換されます。
自分のスマホでどんな形式が再生可能か分からなくても、これで安心。
簡単な動画編集
またファイル情報の画面に並ぶアイコンをクリックすると、簡単な動画編集が可能です。
カット編集
動画の不要な部分をカットしてつなげるカット編集。
回転
画面を縦長にしたり左右を反転させる回転。
クロップ
画面の一部分を切り抜くクロップ。
透かし (ウォーターマーク)
コンテンツ保護のための透かしを挿入したり、
エフェクト
色彩変更やモザイクなどといったエフェクトも備えています。
ただこれらの編集機能はあくまで『オマケ』程度と考えておいたほうがいいでしょう。
使い方2 – 動画のダウンロード
続いてダウンロード機能。
YouTubeやニコニコをはじめとする動画投稿サイトから動画をダウンロードするには、いくつかの方法があることは周知の事実です。しかしHD Video Converter Factory Proにはこんな強みがあります。
- 4k動画まで対応 (動画自体の解像度による)
- プレイリストやチャンネルを一括ダウンロードできる
- 指定した言語の字幕をダウンロードできる
- 怪しげなサイトにアクセスする必要が無い (大事)
機能の性質上あまり詳しくはご紹介できませんが、少しだけ見てみましょう。
※ 動画をダウンロードする行為は、動画投稿サービスの利用規約、および著作権法に抵触する可能性があります。規約、法律の範囲内でご利用ください。
通常のダウンロード方法
手順としては非常に簡単です。まず対象の動画ページを開き、動画のURLをコピーします。
(プレイリストをまとめてダウンロードするにはプレイリストページを開き、そのURLをアドレスバーからコピーしてください)
HD Video Converter Factory Proを起動し、最初の画面で『ダウンロード』を選択すると『ビデオのダウンロード』が開きます。
『新しいダウンロード』をクリックするとこの画面に。
『貼り付けと分析』でURLがペーストされ、自動的にデータが解析されます。
あとはご希望の解像度を選択して『OK』をクリックするだけ。
字幕も合わせてダウンロードしたい場合は字幕にチェックを入れ、言語を選択しておきましょう。
動画をダウンロードし、音声に変換するには?
またダウンロードした動画を音声に変換し、家では動画、通勤中などの出先では音声で楽しみたいという方も多いかと思います。
その場合は一旦動画ファイルをダウンロードし、後からそのファイルをMP3などに変換するのが簡単でおすすめ。詳しい方法はWonderFox公式ブログに記載されているので、そちらを参考にしてみてください。
字幕をプレイヤーで表示する
字幕は動画ファイルと同時にダウンロードされ、そのファイルに埋め込まれます。しかしプレイヤーによっては、普通に再生しただけでは何も表示されないこともあります。
その場合はプレイヤーソフト側で字幕を表示するよう設定してください。
ニコニコからの動画ダウンロードがエラーになる場合の対処法
日本では根強い人気を誇る動画投稿サービスである『ニコニコ』ですが、そのニコニコからのダウンロードはエラーになることも多いようです。
この件について担当者に質問してみたところ、このような回答を送っていただきました。
現在、ニコニコ動画の仕様変更により、ニコニコ動画のURLで直接ダウンロードすることはできなくなりました。
ですが、下記の方法でコピーするURLを利用すればダウンロードできます。
- ニコニコ動画の再生ページを開く
- 動画の再生画面で右クリック →「視聴方法の切り替え」をクリックして、視聴方法を『hls > http』に切り替える
※ ご注意:「視聴方法の切り替え(hls > http )」の場合は変更する必要がない- 再度右クリックして「システムメッセージを開く」をクリック
- 一番下までスクロールし、「動画の読み込みを開始しました」の後ろにあるhttpsから始まるURLをコピー
今のところ、この方法でダウンロード可能ですが、直接ダウンロードできるよう弊社の開発チームは解決方法を探しています。
ニコニコからのダウンロードがエラーになる場合は、この方法を試してみてください。
使い方3 – パソコン画面を録画する
最後にパソコン画面の録画機能を見ておきましょう。
例えば誰かに操作説明するなど、動画の方がスクリーンショットより伝わりやすい場面は多々あります。そんなときに便利なのがこの録画機能です。
起動時の画面で『録画』を選択し、次の画面で録画する範囲を指定します。
あとは『REC』ボタンをクリックするだけ。5秒間のカウントダウンが始まり、その後録画が開始されます。
録画を停止するにはショートカットキーCtrl + F1を押すか、画面上端にカーソルを移動して停止ボタンをクリックしましょう。
試しに録画してみた動画がこちら。サンプル動画
ただし、ゲームのプレイ画面を録画するのは期待しない方がいいでしょう。
録画しながらSteamのゲームを起動してみましたが、僕の環境ではコントローラで操作することができませんでした。
総評
以上がHD Video Converter Factory Proの主要な機能である『変換』『ダウンロード』『録画』機能の基本的な使い方。
ここからは僕が実際使ってみて感じた「良いところ」と「イマイチなところ」をお伝えしたいと思います。
ここが良い!
シンプルな操作とUI
なんといっても操作が簡単でシンプル。ほとんど知識無しの状態でも扱えるのが最大の長所でしょう。
また以前は不自然だった日本語ローカライズも改善され、現在はほとんど違和感無く使用できます。
変換スピードが速い
GPUアクセラレーションにより、変換スピードが速いのも嬉しいポイント。NVIDIAのグラフィックボードや、最新のIntel CPUを搭載しているマシンであれば、ユーザーが何もしなくても高速化の恩恵が受けられます。
ここはイマイチ
逆に気になる点は、今回ご紹介した3つの機能以外にあると感じました。
機能によっては使えない
このソフトウェアの機能は上記以外にも、
- 画面を分割した動画を作成 (比較動画などに便利)
- 画像からスライドショー動画を作成
- 動画や画像からGIFアニメを作成
と複数あります。しかしこれらの機能は、正直言って僕には物足りない。なぜならそれぞれ、以下のような問題があるからです。
機能 | 問題点 |
---|---|
画面分割動画 | できあがった動画の音声が映像と合わない |
スライドショー動画 | BGMが後付けできない |
GIFアニメ | 繰り返し再生しないなど、細かな設定ができない |
これらの機能はまだ発展途上だと言わざるを得ません。
ただソフトウェア自体にそこそこの歴史があり、その中で不具合を解消してきた実績もあります。今のところ、これらの機能はβ版と割り切り、変換、ダウンロード、録画ソフトとして使うのが良いのではないでしょうか。
価格と試用版
それでは最後に、気になるお値段です。
価格は現時点で3880円の買い切り。年間ライセンスもありますが、永久ライセンスとほとんど変わらない価格なので、選ぶ意味はあまり有りません。
また複数のパソコンにインストールするなら、家庭ライセンスがお得。
また今回、WonderFox社からのご厚意により、期間限定の無料ライセンスが提供されました!
正式版に移行する際、割引価格が適用されます。期間限定とのことなのでお早めにどうぞ。
試用版は下のリンクから無料でダウンロードできます。回数や変換スピードの制限はありますが、雰囲気をつかむには十分です。