CCleaner/セキュリティソフト 両方不要論 (Windows)

「Windowsにはセキュリティソフトが必須である」とか、

「Windowsは次第にレジストリが肥大化してパフォーマンスが落ちるから、定期的にクリーニングが必要」とか言いますよね?

こういった発言に対し、僕は今こそ言いたい。

は?と。

今回はこういったメニューでお送りします。

  • レジストリのクリーニングなど時間の無駄
  • パソコン初心者ほどCCleanerをインストールしない方がいい理由
  • 無料のセキュリティソフトはむしろ悪である
  • それでもインストールしたいなら – CCleanerの罠を回避する方法

レジストリとは何か?

最初にレジストリに関して軽く触れておきましょう。Windowsパソコンで言うレジストリとは、ハードウェアやソフトウェアをよりスムーズに動作させるための「値が集められたデータベース」のことです。

例えばキーボードのJを押すとJという文字が出力されるのは、レジストリにそう記載されているからです。また画面の明るさやファイルの関連付け、ウインドウの状態など、レジストリにはありとあらゆる設定が書き込まれています。

その数は1000や2000ではありません。多いときには何十万という値がパソコン起動時にメモリ上に読み込まれ、その後も頻繁に読み込み/書き出しが行われています。

レジストリを見たい? Win+Rを押して「regedit」と入力すれば簡単に見ることが出来ます。

しかしオススメはしません。第一面白くないし、パソコンのエキスパートでもなければ直接触るなんてとんでもない。リスクしかありません。

  • レジストリはいくつもの小さな値から成るデータベースである
  • レジストリのほとんどはPC起動時、メモリ上に読み込まれる

という点だけ押さえておけば十分です。

レジストリは肥大化しない

さらにもう1つ大事なことをお伝えしておきましょう。「レジストリの肥大化」についてです。

ネット上には「レジストリをそのままにしておくと、時とともに不要なレジストリが溜まっていき、パソコンの動作を重くする」といった文言が未だに散見されますが、一体いつの時代の話をしているんでしょうか?

実際にレジストリの肥大化が問題になっていたのはXPよりも前、98や2000の話です。
現行のWindows10では、使わないレジストリにわざわざ頻繁にアクセスしたりしません。つまり不要なレジストリが増えようが、システムの動作にまで影響を及ぼすなんてことはありません。

パソコンの動作が遅いなら

逆に言えば不要なレジストリを100や200削除したところで、パソコンは速くならないということになります。

パソコンを遅くする原因はいくつも考えられますが、レジストリに関連するものなどほんの一部に過ぎません。そのレジストリの、さらにほんの一部を削除することに時間をかけるというのは、パソコンの動作を改善するにはコスパが悪すぎる行為です。

なんとなくパソコンの動作が遅い気がするなら、レジストリを掃除するよりも先にやることがあります。例えばMicrosoftのサイトでは「PCのパフォーマンスを向上させるためのヒント」として10項目記載されています。

Windows で PC のパフォーマンスを向上させるためのヒント - Microsoft サポート
デバイスの実行速度が遅い場合に Windows PC のパフォーマンスを向上させる方法をご覧ください。

ここにはレジストリを掃除するなど一言も書いていません。パソコンの動作を改善したいなら、これらの項目をチェックする方が100倍マシです。

あなたのパソコンがWindows2000でハードディスクを使っているならここに書いてあることは当てはまりませんが、もしそうならいい加減眠らせてあげてください。今はSSD(ソリッドステートドライブ)の時代です。

「なんとなく」の怖さ

以上のように「レジストリのクリーニングでパソコンの動作速度が改善する」というのはかなり昔の話。現在では都市伝説でしかありません。
しかしそれでもなお、レジストリクリーナーは多くの方に利用されています。最もユーザー数が多いであろうレジストリクリーナーが今回取り上げる「CCleaner」です。

パソコンに詳しい方がCCleanerを使うなら何の問題もありません。プログラムのアンインストール時に不要なファイルが残ってしまうこともまた事実だし、それらを削除しておいたほうが気分が良いという意見は否定しません。

しかしパソコン初心者が「なんとなく」CCleanerをインストールしてしまうのは問題です。もしあなたがパソコンに詳しくないなら、CCleanerをインストールする前に1つだけ忠告させてください。

最も怖いのは「皆が使っているから」「なんとなく」よく分からないソフトウェアをインストールし、(実際には動作が遅くなっているにも関わらず)「なんとなく」満足してしまうことです。

何も考えずCCleanerをインストールすると、間違いなくマシンのリソースは無駄に食われます。
実際になんとなくCCleanerをインストールすると何が起こるか。実際に見てみましょう。

CCleanerのインストールに潜む罠

CCleanerをインストール→マシンを再起動した直後にタスクバーを確認すると、

常駐プログラムが2つ増えています。1つはCCleanerのスマートクリーニング、もう1つはAvast Antivirusの無料版。

この2つはほとんど全ての方にとって全く不要なプログラムです。これらが知らない間に起動しているという方は、CCleanerの罠にまんまとハマっています。

スマートクリーニングは邪魔でしかない

自動的にインストールされるスマートクリーニングが何をしてくれるかと言うと、

「ゴミファイルがあるからクリーニングして」というアラートを出してくるだけ。ゴミファイルの詳細が表示されるわけでもなく、1クリックでクリーニングできるわけでもない。こんなものははっきり言って邪魔でしかありません
スマートクリーニングの役割が他にあるとすれば、この無駄な通知によってあなたの集中力を削ぎ、生産性を落としてくれる以外無い。これこそまさに無駄。

Windowsに無料のセキュリティソフトなど不要である

さらに厄介なのがこの無料版Avast Antivirus。ほとんどの方はご存知だと思いますが、アンチウイルスやファイアウォールといった機能はVista以降のWindowsには標準の機能として組み込まれています。

「Windows Defender」と呼ばれるその標準機能が果たしてどの程度のものなのか。長きに渡りセキュリティソフトを開発してきた最大手であるNorton社のサイトに記載があるので、興味のある方はご覧ください。

Windows 標準セキュリティ「Windows Defender」の性能と市販セキュリティソフトの必要性
Windowsのセキュリティ確保に、標準装備の「Windows Defender」はどこまで使えるのか?この疑問への回答と、金銭のやり取りに求められるレベルのセキュリティを確保する方法を解説します。

ここではその一部を引用しておきます。

上記のAV-Comparativesの調査結果からお分かりいただける通り、「既知のマルウェア」に対してWindows標準のセキュリティは市販のセキュリティソフトに大きく劣っているわけではありません。

安全が確保されている有名なサイトの閲覧、ネット検索やメールやメッセージの読み書き、YouTubeによる動画の視聴などがネットの主な用途である一般ユーザーであれば、Windows Defenderは有効だといえます。

(ここで言及されているAV-Comparativesの最新のデータは以下のリンクから閲覧できます。開いたページの「Test」、「Platform」、「Release Date」を確認した上で、閲覧したいデータを開いてください)

Latest Tests
Our latest comparison of the top security tools

つまり一般人が普通の使い方(安全性の高いWebページ閲覧、YouTube動画視聴など)をしている限りは、Windowsの標準機能で間に合うと言っているわけです。
他でもないセキュリティソフトを販売している会社がです。

しかもここでWindows Defenderと比較されているのは有料ソフトウェアであり、機能が制限された無料版などではありません。
あなたがもしWindows Defenderがカバーしていない分野 (ネットバンキング、迷惑メールの仕分けなど)でのサポートが必要なら、検討すべきなのは無料のセキュリティソフトなどではなく、ESET インターネットセキュリティカスペルスキーなどの有料ソフトです。さらにもっと言えば、

  • 怪しいソフトウェアをダウンロードしない
  • メールの添付ファイルを軽々しく開かない
  • 信頼性が低いWebサイトを開かない

など基本中の基本を徹底することで、ウイルス感染のリスクは最小限に抑えられます。マスクや手洗いと同じことです。

なお、なぜCCleanerがAvastをインストールしようとするのかについては、CCleanerの親会社がどこかを調べればすぐに分かります。とにかく僕の結論はこうです。

  • 無料のアンチウイルスソフトを何かのついでに入れるくらいなら、何も入れない方が安全である

それでもインストールしたいなら

ここまででレジストリクリーナーや無料のセキュリティソフトが不要であるということと、CCleanerのインストールに潜む危険についてお話してきました。しかしそれでもインストールしたいなら止めはしません。
幸いなことに、これらの罠を回避するのは簡単です。ここからはCCleanerの正しいインストール手順を見ていきましょう。
インストーラはこちらからダウンロードしておいてください。

CCleaner Makes Your Computer Faster & More Secure | Official Website
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はじめに

インストーラ起動後、最初の画面。ここでは言語を選択し、「カスタマイズ」をクリック。

次にインストールのオプションを選択します。

  1. ショートカットを作成するかどうか。スタートメニューには有ったほうが無難
  2. コンテキストメニューへの登録。細かいことを言えば、これも動作を遅くする原因になります。OFFでOK
  3. あなたがWebサイトで入力したIDやパスワードを、クリーニングの対象から除外します。マシンを誰かに貸したりしないという方はONでいいでしょう

その他のインストールは全て同意しない

ここからインストール完了までは全て「同意しない」あるいは英語表記なら「Decline」を選択します。

Avastの無料アンチウイルスソフトだったり、

CCleaner BrowserというWebブラウザを勧めてくることもあります。誰が他のソフトウェアのついでにWebブラウザをインストールするんでしょうか? マジでどうかしてる。

インストール完了後

そんなこんなでインストールが完了すると、この画面に。

リリースノートは確認する必要なんてありません。無駄にWebブラウザが起動するのでチェックを外します。
その上で「CCleanerを実行」をクリック。

初回起動時に、邪魔でしょうがないスマートクリーニングを無効化しておきましょう。

  1. 「オプション」を選択
  2. 「スマートクリーニング」を選択
  3. 「ごみファイルが発生したら通知」のチェックを外す
  4. 「スマートクリーニングを有効化」のチェックを外す

するとこんな警告が出てきます。

問答無用で「はい」を選択。これでスマートクリーニングが無効化されます。

スタートアップ時の自動起動を抑制する

以上でアンチウイルスソフトとスマートクリーニングは回避できました。しかしWindowsを再起動すると、

起動直後、CClernerが起動しています。これ自体はプログラムのプリロードのようなものでそう大きな問題にはなりませんが、毎回Windows起動時にリソースが食われるのも気に食わない。ということで、ついでにこれも抑制してしまいましょう。

タスクバーから「スタートアップ」で検索し、「スタートアップ アプリ」を開きます。

一覧にCCleanerがあるので、そのチェックボックスをOFFに。

次回以降、自動的にCCleanerが起動するのを抑制できます。

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