Windows11では標準で複数のバックアップ機能が搭載されています。
- ファイル履歴 (外部ドライブにファイルをバックアップ)
- Windows バックアップ (Windowsの設定やストアアプリをバックアップ)
- システムの復元 (システムに加えられた変更を元に戻す)
- バックアップと復元 (Windows7) (システムをバックアップ)
「そんなに必要?」と思われた方、その通りです。
パソコンを扱うなら、OSや大事なファイルのバックアップは必須と言えるでしょう。 残念ながら機械はいつでもどんな時でも確実に正常動作するものではないし、またユーザーが誤って大事なファイルを消去してしまう場合も考えられます。
しかしWindowsはどうもそのバックアップ機能が使いにくい。
誰もが使う機能こそシンプルであるべきです。今回はデータのバックアップ / リストア (復元) に関するオールインワンソフトウェア「EaseUS Todo Backup Home」をご紹介しましょう。
※この記事はイーザスソフトウェアの提供でお送りします。
EaseUS Todo Backup Homeでできること
- ディスク / OS / ファイル / Outlookメールのバックアップとリストア
- 定期的な自動バックアップ
- ブータブルディスク (OSの修復やインストール用USBメモリ) の作成
- SSDの交換を手助けする「システムクローン」や「システム移行」
こういったバックアップに関する作業を1ヶ所で完結するソフトウェア。Windows標準のバックアップ機能が使いにくいと感じている方におすすめです。
バックアップ手順
早速使ってみましょう。「EaseUS Todo Backup Home」のダウンロードはこちらから。
「無料ダウンロード」をクリックすると30日間無料でお試しできる試用版がダウンロードできます。
起動直後の画面はこんな感じ。バックアップするには画面下側「バックアップを作成」をクリックしてください。
また右上の「ツール」アイコンから、その他の機能を呼び出せます。
ノートパソコンのSSDを交換する際に便利な「クローン」や「システム移行」は有料版のみの機能となっていますが、基本的なバックアップなら試用版でも十分でしょう。
システムをバックアップ
「バックアップを作成」をクリックすると下の画面に。
画面右側にバックアップ先のパスが表示されているので、変更が必要ならこの時点で変更しておきましょう。
バックアップ先を指定後、画面中央「?」をクリックしてバックアップする対象を指定します。
ここでは例として「OS」をクリック。
「OS」はCドライブの内容全てではなく、現在のWindowsの状態やインストールされたアプリケーションなど、システムに関するファイルをバックアップします。
SSDやパーティションの内容を丸ごとバックアップする場合は「ディスク」など、用途に応じて選択してください。
画面右下「今すぐバックアップ」をクリックすると開始されます。
バックアップ完了後の動作を指定する
バックアップ開始後、画面下側の▲をクリックすると、作業完了後にパソコンをシャットダウンしたりスリープさせたりといった動作をあらかじめ指定しておくことが可能。
就業後や就寝中にバックアップしておきたい場合はここで指定しておきましょう。
なお僕の環境では、OSのバックアップに要した時間は約8分半ほど。Windowsの標準機能である「バックアップと復元」では20分強かかることを考えれば、かなり短い時間で作業が完了します。
バックアップファイルを確認する
作成されたファイルを確認するには画面左側のリストを右クリック → 「場所を開く」を選択。
指定したパスの「システムバックアップ」というフォルダの中に.pbdという拡張子のファイルが作成されています。これがバックアップファイルです。
定期的なバックアップ – スケジュールを設定する
一度作成したバックアップは、スケジュールを設定して定期的に更新できます。
先ほどと同じ画面の下側「オプション」をクリック。
バックアップのオプションが開きます。
定期的なバックアップを行うには「バックアップ方法」タブを選択し、画面左側「毎週」や「毎月」をON、その上で時間を設定しておきましょう。指定した日時にソフトウェアが自動的に起動し、ファイルが更新されます。
またバックアップ方法を「差分」に設定しておくと、前回のバックアップから変更された箇所だけを更新します。次回以降のバックアップにかかる時間がさらに短縮されるのでおすすめ。
リストア手順
このバックアップファイルを元にシステムの状態を復元するには、
- Windowsが起動した状態から復元
- Windows起動前に復元
の2通りの手段があります。
Windows上から復元する
より簡単なのは、もちろんWindows上から復元する方法です。「Windowsは起動するけど、挙動がおかしい」という場合はこちらを試してみましょう。
ソフトウェアを起動して画面右上「復元」をクリック。
復元するバックアップファイルを「バージョン履歴」から選択して「次へ」をクリック。
次の画面でバックアップを適用するドライブを選択して、チェックボックスをONに。
システムをバックアップした場合、ほとんどは「C:」を含むドライブです。
「次へ」をクリックすると最終確認。ここで「はい」を押すと復元が開始されます。
Windows起動前に復元する
「Windowsが正常起動しない」場合はWindowsを起動せずにデータを復旧する必要があります。そのために必要なのがブータブルディスクですが、使用するためには事前に作成しておく必要があるので注意してください。
ブータブルディスクはいつ作成しても構わないので、なるべく早めに作っておきましょう。
起動時の画面で画面右上「ツール」をクリックし、「ブータブルディスクの作成」を選択。
次の画面で、ディスクを作成するパスを選択します。
ここでは、
- ISOファイル
- USBメモリ
- DVD
の3種類が選択できますが、基本的には真ん中のUSBメモリがおすすめ。
選択して「作成」をクリックすると、確認のダイアログが表示されます。
USBメモリを使用する場合はメモリをフォーマットする必要があるので、USBメモリに何らかのデータが書き込まれている場合は、そのデータを他の場所に退避させておいてください。
「OK」を押すとブータブルディスクが作成されます。
このUSBメモリを使ってマシンを起動しますが、そのためにはUEFIで起動ディスクの優先順位を切り替えておかなければなりません。
UEFIはパソコンの電源を入れた直後、最初の画面でF12やF2を入力すれば起動しますが、キーはメーカーによって異なります。
またUEFIのメニュー構成も同様、メーカーによって違うので注意してください。(画像はASRockのUEFI)
設定を保存後、再起動するとUSBメモリからマシンが起動し、Todo Backupの画面が表示されます。
あとはWindows上で復元した時と同様の手順でOKです。
EaseUS Todo Backupの長所と短所
基本的なバックアップ / リストア手順はこんなところです。ということで、ここからは僕が使用してみて感じたこのソフトウェアの長所と短所をお話しておきます。
ここは良い!
バックアップに関する作業を一本化できる
やはりバックアップに関する作業を1つのバックアップソフトで完結できるのは非常に大きいと感じます。
またシステムのバックアップだけではなく、有料版であればHDDのコピーやシステムドライブのクローンに対応しているところも高評価。
ドライブやシステムのバックアップに関してはMicrosoft自身があまり積極的ではないのもあり、今後はサードパーティのソフトウェアによるバックアップが主流となっていく可能性も高いでしょう。
作業が速い
Windows標準機能よりも素早く作業が完了するのもメリットです。また作成するのはあくまで「ファイル」なので、コピペで更にバックアップしておくことも可能。
ここはイマイチ
「あまり弱点らしい弱点は見当たらない」というのが正直なところですが、それでもあえて言うならこの2点。
UIデザイン
見た目に関しては好みが分かれるところですが、個人的には若干ちぐはぐな感じが否めません。
パソコン初心者向けに簡単操作を重視するなら、もっとカラフルでポップなデザインにしても良いでしょう。また「ツール」メニューから選択する機能は、初心者には説明不足で取っ付きにくく感じてしまいます。
逆に上級者ユーザーなら、このUIはむしろ「手間がかかる」と感じてしまうかもしれません。どちらにしても中途半端。
有料版への誘導がクドい
このソフトウェアに限らずですが、試用版では有料版への誘導が事あるごとに入ります。
分かりますよ。分かるんですけどね……30日間無料でお試しできるなら、せめて20日くらいは静かに試用させてほしいもんです。
最後に
今回はWindowsのバックアップ / リストア作業を一手に引き受けるソフトウェア「EaseUS Todo Backup Home」をご紹介しました。最後にまとめです。
- バックアップ作業を一本化したいなら試して見る価値有り
- Windows標準機能のバックアップよりシンプルで、素早いバックアップが可能
- ブータブルディスクの作成はお早めに
- UIは好みが分かれるが、見た目が気にならないならおすすめ
機能的には初心者から上級者まで、幅広い層にアプローチできるソフトウェアだと感じました。試用版でも基本的な機能は普通に使えるので、「無料ダウンロード」から試してみてください。