ロギング仕事術 – タスク管理は、それでええねん

ウルフルズの「ええねん」って曲、ご存知ですか?
知らないって方はぜひ一度聴いてみてください。20年前の曲ですが、名曲が色褪せることはありません。

ウルフルズ - ええねん
一時期脱退していたベースのジョン・B・チョッパー復帰第一作シングルとして2003年にリリースされた大ヒット曲。どこまでもストレートでシンプルな、ある意味でもっともウルフルズらしいロックン・ロール・ナンバーとして代表曲の一つになった。「ええねん」という言葉に表わされたトータス松本流「全肯定」哲学は、人間の本質に迫る...

はい。
ということで、この記事はタイトルの通り、倉下忠憲氏の著書『ロギング仕事術』を取り上げます。

わかってますやん。
「ウルフルズ、何の関係があんねん」ってことでしょ?

めちゃくちゃあるから。
というか、もう読めば読むほどウルフルズやねんこの本。
第1章なんか全部「ええねん」で要約できるから。

でも全部書いてもうたら、さすがに怒られるやろ?
だから一部分だけ「ええねん」縛りで紹介してみるわ。ほないくで。

第1章はこんな感じ

記録つけたらええねん

なんや自分がやろうと思ってることあっても、なかなか進まへんこと、あるやん?
でもそれって、ホンマにあんたが悪いんやろか? 能力無いんやろか?
もしかしたらそれって、記録つけてへんからちゃう?

心配せんでええねん

でもどうすりゃええねんって思うやん?
めっちゃシンプルに考えてええねん。つまりな、

  • 記録を残しながら
  • 記録を使いながら

仕事進める。これだけや。
複雑なメソッドとかいらんから。シンプルで十分効果あんねん。

気持ちよければええねん

記録つけたら、うれしいことめっちゃ増えんねん。

たとえばこういうこと、あるやん?
作業中に電話かかってきたり、突然誰かから関係無いこと依頼されたり。

そういうの増えてきたら頭ごちゃごちゃになりがちやねんけど、今日何するか事前に記録しとったら、

脱線してもええねん。

だってその記録見たら戻れるやん。
他にも色々、ええことあんねん。

ちょっとずつでもええねん

「ロギング」が進行形になってるのがポイントや。
ちょっとずつやってこ。

何使ってもええねん

デジタル時代やからデジタルでやらなあかんとか、そんな決まりは無いねん。
状況に応じて、何でも使えばええやん。

それでええねん

それだけで……ええねん!

ね?

いけたっしょ?
信じられんわって人、マジで一回読んでみ?

ここから真面目にやります

この第1章は、倉下さんご自身のコメントにもあるように、非常にビジネス書感溢れる印象。内容も基本的には「まぁそうだよね」という感じで、特に真新しい提案とか、既存の概念を揺さぶるような記述はありません。強いて言えば「進行形」が強調されているというくらいでしょうか。

ただ、それは問題ではありません。だって大方予想した上で読んでるんだもん。
僕はこの本で語られているようなこと、既にある程度やってるんですよ。記録も残すし、タスク管理もしてます。だから序盤はほぼ知ってる話が続くであろうことは予想していました。

じゃあなんでこの本読んだの? やってるなら別に読まなくていいじゃん。
って思います?

逆ですよ。「やってるからこそ読みたい」んです。

この本を手に取った理由

僕はこうして文章を書いていますが、誰かに「こうしろ」と言われた方法で書いているわけではありません。
タスク管理も同様です。確かに始めた瞬間は何らかのきっかけがあったはずですが、もう何がきっかけだったかすら思い出せません。

皆さんもそういうこと、多いんじゃないでしょうか。たとえば走り方や包丁の使い方、ノートの書き方、髪の毛のセットの仕方、etcetc…

最初は誰かに教わったとしても、時が経つにつれ、次第に自分のスタイルが固まっていく。言うならこれは「我流」の確立です。
そして我流だからこそ、僕は文章を書くことやタスク管理について思い悩みます。どんな悩みかといえば、

  • 自分のやり方が本当に「良い」のかわからない
  • 他人と比較してどの程度「できている」のかわからない

別に興味関心が無かったり、うまく行ってて満足してるならそれでいいんですよ。僕だって歯の磨き方にまでいちいち悩むことはありません。
文章の書き方やタスク管理について悩み、知りたいと思うのは、興味があるからです。そしてそれがTOEICのように満点も無ければ、大学入試共通テストのように順位が出るわけでもないからです。

自分が今現在、どこにいるのかわからないし、あとどれだけ試行錯誤すれば満足できるのかが見えてこない。
だから僕は「既に知っていること」「既にやっていること」に関する本を読みます。

  • 自分のやり方、間違ってないですよね?(少なくとも、これってタスク管理してるって言えますよね?)

に対してYESが欲しい。「それでええねん」と言ってほしい。そんな少々よこしまな感情もあるし、あわよくば、より良い方法にたどり着くためのヒントが欲しいんです。

この本はどんな本か?

そういう人間がこの本を読んだとしたら、おおよそこのような感想になるでしょう。
「別に大したことは書いていない。自分の現在位置に少し安心できて、仕事をよりうまく進めるための、何かしらのヒントが提示されるだけだ」

第1章で「それでええねん」を伝え、第2章で「これもええんちゃう?」を提案する。そして第3章、第4章と読み進めるにつれ、タスク管理も含めたログ(記録)を取る意義について、より深く考えることを促していく。

自分のメソッドをお持ちの方は、読んだからといって劇的に何かが変わるわけではないと思います。ただ何かしらのヒントが提示されるだけです。
だからこそ、僕は読んで良かったと思いました。そして少しだけ、記録に対する意識が変わりました。

どんな本かと問われれば……まぁ、そんな本です。

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