Tablacus Explorerは標準のエクスプローラーと違い、ウインドウを複数起動(いわゆる多窓表示)させなくても大抵のことはできてしまう優秀なファイラーですが、仮想デスクトップを利用していると「複数起動させたい」と思う瞬間があります。
仮想デスクトップでは一部の複数起動可能なアプリを除き、あるデスクトップで起動しているアプリを、別のデスクトップで表示することができません。
ほとんどのアプリでは問題になりませんが、ことファイラーに限って言えば、この挙動は非常に困る場面があります。
今回は仮想デスクトップを使わない方でも知っておいて損は無い、Tablacus Explorerを複数起動させる方法について。
方法1 : 複数起動アドオンを使う
複数起動させたいと思ったとき、まず考えられるのは複数起動用のアドオンを使うという手。「複数」で検索すると普通に出てくるし、設定も不要なので簡単に使えます。
複数起動のためだけに特別なことをしたくない方にはおすすめできます。しかし僕は今のところ、このアドオンを使っていません。理由は2つあります。
複数起動アドオンの問題点
際限なく新しいウインドウが開く
アドオンの大きな問題点、その1つ目はこれ。
実行ファイルを指定して起動すると常に新しいウインドウが開き、しかもそれがいくらでも増殖できてしまうことです。
(exeファイルをダブルクリックしたり、何らかのランチャ経由で起動している場合がこれに当たります)
ただアクティブにしたいだけなら、タスクバーのアイコンをクリックしなければなりません。
しかし僕が望んでいる挙動はこうです。タスクバーだろうが実行ファイルのダブルクリックだろうが、
- そのデスクトップで既にTablacus Explorerが起動していれば、そのウインドウがアクティブになる
- そうでなければ(あるいは別のデスクトップから呼び出せば)、新しく起動する
こんな風になってくれれば理想ですが、上記のアドオンでは今のところ難しそう。
表示設定が「何番目に開いたウインドウか」で変化する
問題点はもう1つあります。アドオンを使って新しいウインドウを開くと、初回ならデスクトップが単独で開くはず。
この表示設定はもちろん変更して保存できますが、問題はその設定が「何番目に開いたウインドウか」に紐付けられて保存されるという点です。
例を挙げましょう。下の画像では3つのウインドウが開いています。
この状態で全てのウインドウを閉じ、再び③のウインドウを開こうとすると、もう一度3つのウインドウを開く必要があります。
「ダウンロードフォルダ単独で表示する」という設定は、「3番目に開いたウインドウ」に保存されているからです。
これも望んでいる挙動ではありません。表示設定を保存したウインドウが3つあるなら、それを自由に選択して直接開けるのが理想です。
以上の2点がネックとなり、このアドオンは今のところ、個人的には使えないという結論に達しました。しかし何といっても簡単に導入できるので、単純に複数起動させたい方は一度試してみることをおすすめします。
方法2 : 別のアプリとして起動する
上記のような挙動に不満がある場合は、複数起動アドオンを使わない方法を考えます。方法2としては「別のアプリとして起動する」です。実際にやってみましょう。
手順
① まずTablacus Explorerのフォルダが置かれたディレクトリを開き、そこに新しくフォルダを作成します。
(ここではデスクトップで作業していますが、どこでもかまいません)
② 新しく作成したフォルダに、Tablacus Explorerのフォルダを丸ごと移動します。
③ 新しいフォルダの中にアプリのフォルダが入りました。これを同フォルダ内でコピペして複製します。
Ctrlを押しながら少しドラッグすると、同じフォルダにコピーが作成できます。
今回は例として3つ同じものを複製しました。複製した直後はこんな感じ。
④ このままでも構いませんが、フォルダ名を「1,2,3」と連番になるよう変更しておきます。
⑤ それぞれのフォルダから、使用するexeファイルをタスクバーにピン留めします。
⑥ 実際に起動してみましょう。アイコンクリックでも起動しますが、Windows10の基本機能であるショートカットキーWin+数字キーもぜひ押さえておいてください。
タスクバーにピン留めされたアイテムは、左から順に1~0まで番号が振られます。今回の例で言うとWin+1でTE1が起動し、Win+2ではTE2が起動します。
複製のメリット
タスクバーにピン留めした3つのTablacus Explorerは、実際は複数起動ではなく、全て別のアプリとして起動しています。こうすることによって、
- 複数起動できる(ように見える)
- 起動する数を制限できる(各々1つまで)
- ウインドウそれぞれに設定を保存できる
- 呼び出すウインドウをユーザーが選択でき、それを直接呼び出せる
といったように、アドオンの不満点を大幅に解消することができます。
複製の注意点と対策
ただしこの方法も全くデメリットが無いかというと、残念ながらそうではありません。こういった点には注意が必要です。
アップデートは個別に対応しなければならない
Tablacus Explorerはアップデートが頻繁に行われています。デフォルトでは1日1回チェックが行われ、アップデートがあれば更新するかどうかのダイアログが表示されます。
このダイアログ、1日1回出てくるだけならまだ許せますが、3つ4つとなるとなかなか面倒です。
ダイアログがウザいと感じたら「自動的に更新」アドオンのオプションで、自動の欄にチェックを入れておきましょう。更新ダイアログを省略できます。
ただしその場合、アップデートがあれば自動的に再起動してきます。再起動によって作業を邪魔されたくないならTablacus Explorerを終了しておきましょう。
タスクバーのスペースを圧迫する
今回はWin+数字キーで起動するためにタスクバーを利用しましたが、そのおかげでタスクバーが圧迫されて困るという方もいるかも知れません。
その場合、タスクバーにこだわる必要は全くありません。キーボードで起動したければAutoHotkey、マウスジェスチャーで起動したければMouseGestureLやStrokesPlus.netなどのマウスジェスチャーソフトもあります。
またタスクバーのスペースを節約したいなら、小さいタスクバーボタンを使うという手もあります。
タスクバーを右クリック > 「タスクバーの設定」で設定画面を開き、小さいタスクバーボタンのチェックボックスをONにしましょう。
これだけでもタスクバーに置けるアイコンはかなり増えるはずです。